中国が2020年に極秘の核実験か、米が非難 トランプ政権は中ロを含む核兵器合意を要求
戦勝記念日の軍事パレードで披露された大陸間弾道ミサイル(ICBM)=2025年9月、中国・北京/VCG/Getty Images/File
(CNN) 米国は6日、中国が2020年に極秘の核実験を行ったとして非難した。トランプ米政権は、中国とロシアの双方を含む、より包括的な核兵器管理の合意を求めている。
今月5日には、米国とロシアの間で核戦力を制限する唯一の枠組みとなっていた「新戦略兵器削減条約(新START)」が失効していた。これにより、世界最大の核保有国である両国の核兵器に、数十年ぶりに制限がなくなった。
トランプ大統領と政権の高官らは、新STARTの制限をもはや順守しない考えを明確にしており、ロシアと中国の脅威に対処するため、新たな合意が必要だと主張している。トランプ氏は昨年、米国の核兵器実験の再開も求めていた。
米国務省のディナノ国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)は6日の軍縮会議で、米政府は中国が数百トン規模の核爆発実験を実施したことを認識していることを明らかにできると語った。
ディナノ氏は、中国が爆発を伴う核実験を2020年6月22日に実施したと明らかにしたが、詳しい証拠は示さなかった。米国の元高官はCNNに対し、中国の20年の核実験に関する情報は機密解除されたと明らかにした。
ディナノ氏は、中国軍が「これらの実験が核実験禁止の義務に違反することを認識していたため、核爆発を隠匿することで実験を隠匿しようとしている」と非難した。
ディナノ氏は、中国が「デカップリング」という手法を使い、自国の活動を世界から隠してきたと指摘した。専門家によると、デカップリングとは、核爆発による地震活動を弱めるために大きな洞窟を掘り、検知を困難にすることを指す。
世界的に核実験を監視する「包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)」は6日、20年6月22日に核兵器実験の爆発の特徴に一致する事象は検出されなかったと明らかにした。
CTBTO準備委員会のロバート・フロイド事務局長は「その後の詳細な分析でも、この判断は変わっていない」とした。
フロイド氏は、同機関の国際監視制度(IMS)は「TNT火薬換算で約500トン以上の威力を持つ核実験の爆発を検知できる」と述べ、北朝鮮が実施して申告した6回すべての核実験を検知したと指摘した。
ディナノ氏は、問題とされる中国の実験の威力は「数百トン」だったと述べたが、具体的な数値は示しておらず、監視システムの探知基準に達していたかは不明だ。
米シンクタンク「軍備管理協会」のダリル・キンボール会長は「非常に低出力の実験であれば、CTBTOの監視網から隠れる可能性がある」との見方を示した。
フロイド氏は、包括的核実験禁止条約(CTBT)には「より小規模な爆発に対処する仕組み」があると述べた。CTBTは「あらゆる核兵器実験による爆発、またはその他の核爆発」を禁止している。しかし、そうした仕組みを利用できるようになるのは、条約が発効してからだ。
世界の大半の国は同条約に署名し、批准している。だが、米国と中国は署名したものの批准しておらず、ロシアは23年に批准を撤回した。このためCTBTは発効していない。
米国と中国はこれまで、核実験のモラトリアム(一時停止)を堅持するとしてきたが、昨年、トランプ氏は「対等な立場」で米国の核実験を再開すべきだと主張していた。
在ワシントン中国大使館の報道官は核実験について問われると、中国は「核兵器の先制不使用政策と自衛に重点を置く核戦略を掲げ、核実験のモラトリアムを順守している」と述べた。報道官は、中国がCTBTの権威を共同で維持し、国際的な核軍縮・核不拡散体制を守るために、すべての関係国と協力する用意があるとした。