即席ラーメンは「茹でこぼし」を――5000人以上を診た医師が語る、「沈黙の臓器」腎臓を守るための“簡単なルール”《人工透析は年間500万円》(文春オンライン)

〈5人に1人が該当する「サイレントキラー」慢性腎臓病が認知症・脳梗塞・心筋梗塞を引き起こすという危険な「臓器連関」とは《人工透析は35万人》〉 から続く 【動画を見る】即席ラーメンは「茹でこぼし」を――5000人以上を診た医師が語る、「沈黙の臓器」腎臓を守るための“簡単なルール”《人工透析は年間500万円》  日本人の約5人に1人が「慢性腎臓病」だと推計される現代。腎臓専門医として5000人以上の患者を診ており、『 腎臓の教科書 体液の循環・浄化から見る驚異の生命維持システム 』(講談社 ブルーバックス)の著者である埼友クリニック外来部長の髙取優二氏は、「現代人のライフスタイルが慢性腎臓病を増やしている」と警鐘を鳴らす。 「沈黙の臓器」と呼ばれる腎臓の不調を放っておくと、いずれは年間医療費500万円かかるという人工透析に至りかねない。どうすれば腎臓を守ることができるのか。髙取氏に具体的な予防法を聞いた。(全2回の2回目/ はじめから読む ) (初出:「文藝春秋PLUS」2026年1月10日配信)

――慢性腎臓病が増えている原因は何でしょうか。 髙取氏 現代人のライフスタイルが一因だと考えられます。まず、腎臓は再生しない臓器なので、高齢化に伴って機能が落ちることで患者数が増えているという面はあります。また、健康診断を受ける人が増えたことで発見される機会も増えました。これらはポジティブな理由です。 ――ネガティブな理由もあるのですか。 髙取氏 食事ですね。食べ過ぎると、それに伴って老廃物が増えるので、腎臓の負担が大きくなります。量の問題だけでなく、質も重要です。 ――質とは具体的にはどのようなことでしょう。 髙取氏 食品添加物です。添加物に含まれるリンが腎臓によくない。リンには有機リンと無機リンの2種類があります。普通の食材から作る料理に含まれるのは有機リンで、吸収率は約40%です。一方、添加物やリン酸塩に含まれる無機リンは、90%以上吸収されてしまいます。同じ量を摂ったとしても、負荷が2倍以上違うんです。

――何か工夫はできますか。 髙取氏 例えば、即席ラーメンの場合、麺の部分に無機リンがたくさん含まれています。ですから、最初に麺だけの状態でお湯を入れて、一度流し出します。この「茹でこぼし」をすることで、無機リンをかなり減らすことができます。 ――麺を一度お湯に通すということですね。 髙取氏 このような工夫だけでも大きな違いになります。腎臓病は、便利になったからこそ増えてきている現代病と言えるかもしれません。 ――塩分も気をつけるべきですか。 髙取氏 もちろんです。日本人はどうしても塩分摂取量が多いので、1日摂取量を10g未満にすることが目標です。ただ、塩分だけ気をつければ良いというわけではなく、体に与えられるストレス、酸化ストレスなども腎臓を劣化させる原因になります。

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