富田隆弥の【CHART CLUB】 25日線割れ、高まる需給不安
株式評論家 富田隆弥
◆3月相場は波乱の幕明けとなった。2月28日に米国とイスラエルがイラン攻撃に踏み切ったことで、中東情勢が緊迫化。原油価格が急騰し、年初から買い姿勢を強めていた日本株に冷水を浴びせた。これにより日経平均株価は、テクニカルの重要ポイントである25日移動平均線(5日時点:5万6022円)を割り込んでしまった。
◆日経平均株価は2月26日に5万9332円の史上最高値をつけ、「6万円」の大台を射程に収めていた。だが、今週は2日に793円安、3日は1778円安、そして4日には2033円安と史上5番目の下げ幅を記録し、瞬間5万3618円まで売り込まれた。さすがに5日は1032円高と4日ぶりに反発したものの、割り込んだ25日線をクリアできずにいる。 ◆こうなると、これまで買いに偏っていた日本株だけに、「需給悪化」の懸念が強まる。2月27日申し込み時点の信用取引の買い残高は5兆5405億円(2市場、制度信用と一般信用の合計)と2週ぶりに減少したものの、依然として2006年5月以来の水準であり、評価損益率は「-0.13%」と過熱信号を灯している。また、裁定買い残も前週比3983億円増の3兆8683億円(2月27日時点)と、2013年12月以来の水準に積み上がっている。 ◆日経平均株価が上昇基調にあるのならば、この2つの買い残は問題とはならない。しかし、25日線を割り込んだことで、一転して「解消売り」のリスクが台頭してくる。今週の急落をもたらした一因として、これら解消売りが出始めたことは否めない。しかも、解消売りが本格化するのはこれからとみられ、日経平均株価の下値はさらに深まる恐れがある。来週13日のメジャーSQ(先物・オプション取引の特別清算指数算出)、さらに益出しの売りが強まる年度末と、需給面では厳しい時期を迎える。 ◆チャートの下値メドとしては、75日線(5日時点5万2665円)や13週線(同5万3586円)が目先のポイントに挙げられるが、これらを割り込むと26週線(同5万0960円)や200日線(同4万6357円)も視野に入ってくる。 ◆こうした下落リスクを回避するには、少なくとも25日線を奪回することが必要だ。ただ、日経平均株価は昨年4月安値(3万0792円)からおよそ10カ月半にわたり上昇を続け、上げ幅は2万8540円にも達していた。その長期上昇基調に亀裂を入れたとするのならば、注意を要する。「山高ければ谷深し」、「彼岸底」という相場格言もあり、ここは慎重に対応したいところだ。 (3月5日 記、原則毎週土曜日に更新)情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
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