兵庫:県政前進 歩調合わせ:地域ニュース : 読売新聞

インタビューに応じる斎藤知事(県庁で)

 斎藤知事は新年を迎えるにあたり、読売新聞など報道各社のインタビューに応じた。2025年は阪神大震災から30年の節目とあって、経験・教訓の伝承や防災庁の拠点誘致に注力する考えを強調する一方、自身のパワハラ疑惑などの内部告発問題で失った、県職員や県議会、県内市町長との信頼関係の再構築に意欲を示した。(増田博一)

震災30年 防災庁拠点誘致へ

 ――出直し知事選で再選を果たし、どのような県政を目指すのか。

 県民の負託を受けた。これまで3年間の改革や若い世代を中心とする政策が一定の理解を得て、「2期目に向けたスタートを切ってほしい」という県民の思いだと思っている。県立大学の授業料無償化をはじめ、県立高校の魅力アップ、不登校対策など若い世代を応援する政策を充実させていく。

 ――来年度、力を入れたい施策は。

 県立大学の授業料無償化は、選挙の公約でも一番大事な施策として掲げた。県議会でもさまざまな議論があり、ほかにも大学があるなかで(支援対象の)人数が限られているという批判もあるが、国の議論をリードする形でやることが大事だということを県民に伝えてきた。理解してもらえたという思いもあり、実際に負託をもらい、期待も大きい。予定通り、26年度の(制度の)完成に向けてやっていきたい。議会にも理解してもらえるように、議論を深めたいと思う。

 ――職員や議会、市町長との信頼関係の再構築に向けた取り組みは。

 選挙が終わり、県政を前に進めていくためにみんなで協力することが大事だと思う。各地を回るなかで個別の課題について議論する機会や、幹部職員とのざっくばらんなミーティングなどを増やしていきたい。いい政策、いい仕事をしたいという思いは一緒だと思うので、いかに歩調を合わせてやっていけるか。私自身も努力していきたい。

 ――内部告発問題を調査する百条委員会や第三者委員会がある。混乱している状況を、どのように収束させるのか。

 しっかり説明することで対応していきたい。それぞれの問題に対し、一定の結論や次のステップに移れるような対応をしていきたい。

 ――来年で阪神大震災から30年。震災の記憶や教訓をどう伝承していくのか。

 30年たつと震災の経験と教訓が急速に風化すると言われている。1月17日には天皇、皇后両陛下ご臨席のもと、安全の日のつどいを開催する。もう一度、震災を経験していない人につないでいくことが大事だと思う。大阪・関西万博の期間中に創造的復興サミットを開き、国内外の人に集まってもらい、「兵庫県宣言」という形でやりたい。

 能登半島地震で課題となった集落の孤立や上下水道の断絶など、災害対応力の強化についてさらに議論も深めていきたいし、政府の議論が本格化しつつある防災庁の拠点を関西に持ってくるために関西広域連合と連携しながらやっていく。

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