貿易戦争の長期化、カナダ経済と金融安定性への脅威=中銀報告書

カナダ銀行(中央銀行)は8日、年次金融安定報告書を公表し、貿易戦争の長期化はカナダ経済にとって最大の脅威であり、カナダの金融安定性リスクを高める可能性があるとの見方を示した。写真は4月撮影のマックレム総裁。(2025年 ロイター/Blair Gable)

[オタワ 8日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は8日、年次金融安定報告書を公表し、貿易戦争の長期化はカナダ経済にとって最大の脅威であり、カナダの金融安定性リスクを高める可能性があるとの見方を示した。銀行などの金融機関に打撃を与え、家計や企業の債務返済能力を低下させることを理由とした。

中銀は、短期的には米国の貿易政策の予測不可能性により、市場のボラティリティーが一段と高まり、流動性が逼迫(ひっぱく)する可能性があると指摘。中長期的には、世界的な貿易戦争の長期化が深刻な経済的影響を及ぼすと述べた。

また、貿易戦争が長引けば、特に高水準の負債を抱える一部の家計が支払い不履行となる恐れがあると指摘。金利の低下にもかかわらず、過去12カ月間で金融ストレスの兆候が上昇しており、特に、住宅ローンを保有していない世帯においてその傾向が顕著だとした。

これが、強固な流動性基盤と資金へのアクセスを構築してきた銀行システムにとって打撃となる公算が大きいと述べた。

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