15歳未満のSNS利用禁止法案を表現の自由を侵害するとして最高裁が差し止め
オーストラリアで世界初の16歳未満のSNS禁止法が施行されてから、ギリシャ・カナダ・イギリスなど複数の国で同様のSNS禁止法が計画されています。フランスでも15歳未満の子どもによるSNSの利用を全面的に禁止する法案が推進されていますが、最高裁判所がこれを差し止めました。
France's top court blocks social media ban for under-15s | Reuters
https://www.reuters.com/world/frances-top-court-rules-social-media-ban-curtails-freedom-expression-2026-08-14/French court blocks social media ban for under 15s – POLITICO https://www.politico.eu/article/french-constitutional-court-shoots-down-social-media-ban-for-minors/
French court blocks Macron’s social media ban for under-15s | Social media bans | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2026/aug/14/french-court-blocks-macron-social-media-ban-under-15s 2026年7月、フランス連邦議会が15歳未満の子どもによるSNSの利用を全面的に禁止する法案を可決しました。子どものSNS利用禁止を2期目の看板政策として掲げるフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、新学期が始まる2026年9月までにこの禁止措置を施行したいという考えを示しています。15歳未満のSNS禁止法案をEUで初めてフランス議会が可決 - GIGAZINE
現地時間の2026年8月14日(金)、フランス最高裁判所が15歳未満のSNS禁止法案を差し止めました。最高裁判所はこの法案が表現の自由を侵害するものであるとして、政府に対して法案の見直しを求めています。 フランスの15歳未満のSNS禁止法案が成立していれば、2026年9月1日から15歳未満の子どもはSNSのアカウントを開設できなくなる予定でした。既に開設済みのアカウントはSNS側により4カ月以内に閉鎖され、フランスのプライバシー規制当局が承認した年齢確認方法の導入も義務付けられる予定でした。
しかし、フランスにおける法律の合憲性を審査するフランス憲法評議会は、15歳未満のSNS禁止法案がすべての人に年齢確認書類の提出を義務付けているものの、提出すべき「条件と制限」を明記しておらず表現の自由とコミュニケーションの自由に対する権利を不当に侵害していると判断しました。 フランス憲法評議会はこの判断について、「問題となっている条項は、一方では表現とコミュニケーションの自由を不均衡に侵害しており、他方では私生活の尊重を受ける権利を確保するために必要な法的保護措置を提供していません」と説明しています。
世界中でSNS禁止法が実施、あるいは計画されていますが、SNS企業は全面的な禁止措置に反対の立場を示し、年齢制限などの若いユーザーを保護するための対策を既に講じていると主張しています。 また、マクロン大統領にとってSNS禁止法案は看板政策だったため、同氏にとっては大打撃であると政治関連メディアのPOLITICOは報じています。なお、フランス大統領府は最高裁判所に差し止めされた直後に、政府はこの法案を諦めないという声明を発表。新たに、SNS禁止法案の目標期日を2027年春に設定しました。 また、マクロン大統領は声明の中で、最高裁判所の判決を考慮に入れた法的に妥当な草案をできるだけ早く作成するよう首相に指示を出したことを明かしています。POLITICOは「最高裁判所の判決は年齢制限を基本的人権に合致させるにはどうすれば良いかを示唆しており、それには親により大きな裁量権を与える必要があります」と報じました。
なお、若者のSNS利用を禁止する法律としては、2025年12月にオーストラリアが世界で初めて16歳未満のSNS禁止法を施行。インドネシアとマレーシアも、特定のプラットフォームで16歳未満の利用制限を導入しています。さらに、イギリスでも2027年春から16歳未満の若者に対するSNSの提供禁止措置が実施される予定。
加えて、EUでもSNS制限措置が検討されており、デジタルサービス法を基盤に有害なSNS機能から子どもたちをより強力に保護することが計画されています。EUの政策執行機関である欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、「プラットフォームへのアクセスには年齢に応じた制限が必要であることは明らか」と述べ、異なる年齢層に対して段階的なアクセスを提供する可能性を示唆しました。
・関連記事 世界初の「16歳未満のSNS禁止法」がオーストラリアでスタート、TikTok・X・Instagram・YouTubeなどが対象 - GIGAZINE
ギリシャが2027年から15歳未満のSNSアクセスを禁止、プラットフォームには年齢確認メカニズムの導入を義務化 - GIGAZINE
16歳未満のソーシャルメディア利用を禁止しAIチャットボットに対して安全基準を定める「安全なソーシャルメディア法案」をカナダ政府が提出 - GIGAZINE
イギリスが16歳未満のSNS利用を全面禁止すると発表 - GIGAZINE
オーストラリアの「未成年SNS禁止」は年齢確認が機能していない - GIGAZINE
イギリス政府が未成年者のSNS禁止措置を拡大、16歳・17歳について「夜間のSNS使用禁止」の方針 - GIGAZINE