体重無差別で最軽量の角田夏実が2勝「やり切った感じはある」 柔道全日本女子選手権

角田夏実(上)=20日、横浜武道館(酒井真大撮影)

体重無差別で争う柔道の全日本女子選手権は20日、横浜武道館で行われ、パリ五輪48キロ級金メダルの角田夏実(SBC湘南美容クリニック)は3回戦で敗退した。

体重無差別での争いでも、角田が存分にらしさを見せた。最軽量48キロ級のパリ五輪金メダリストは、体重差をはねのけて2勝。3回戦突破はならず「怖さも感じながら、緊張感も楽しめたかな。やり切った感じはあるけど、悔しい思いはありますね」と充実感と心残りを口にした。

通常の減量苦はなく、53キロで臨んだ戦い。初戦は自身より37キロ重い高校生を相手に、十八番のともえ投げを仕掛け続けて判定3-0で勝利。すると続く76キロの橋高(金沢学院短大教員)からはともえ投げで有効を奪い、優勢勝ちした。しかし4階級上の70キロ級で国際大会優勝経験もある寺田(JR東日本)には得意技も決め切れず劣勢で、判定で敗れた。

3回戦で寺田宇多菜(右)と対戦する角田夏実=横浜武道館

昨夏のパリ五輪前から挑戦を決めていた、日本一を争う大会への3度目の挑戦。練習も積んできたが、試合を重ねるごとに体重差の影響は大きく出た。疲労具合が48キロ級とは桁違いで「いつもなら次の試合、次の試合といけるけど、気持ちと体が反していた」と改めて難しさも実感した。

6月の世界選手権は辞退し、この大会に懸けてきた。今後については「気持ちが毎日コロコロ変わる」と複雑な胸中を明かしながら「負けたことはすごい悔しい。まだまだ勝負の世界にいたいんだなって気持ちはある」と話した。(大石豊佳)

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