道路に設置の「謎カメラ」一体何してる? 速度違反じゃないのに撮られてる? 「Nシステム」の目的は“オービス”と全く違う「犯罪捜査」だった!?
高速道路や幹線道路を走行していると、道路の上に設置されたカメラに似た装置を目にすることがあります。
こうした機械を見つけると「オービスではないか」と考え、とっさにブレーキを踏んでしまうドライバーもいることでしょう。
【画像】「えっ…」 これが「オービスの見分け方」です! 画像で見る!(22枚)
しかし、道路上にあるカメラ型の装置がすべて速度違反を取り締まるものではなく、外見は似ていても全く違う役割を持つ機器も存在します。その代表的なものが「Nシステム」です。
Nシステムとオービスは、一見すると似ているため混同されがちですが、その役割には大きな違いがあります。
Nシステムとは「自動車ナンバー自動読取システム」の略称で、その名の通り、通過するクルマのナンバープレートを自動で読み取る装置です。
カメラで撮影されたナンバーは警察のデータベースと照合され、盗難されたクルマや犯罪に利用されたクルマなど、手配中の車両を発見するために活用されます。つまり、交通違反の取り締まりではなく、犯罪捜査や防犯を目的としたシステムなのです。
装置の名称にある「N」は「Number(ナンバー)」の頭文字から取られています。文字通りクルマの番号を読み取ることに特化しており、車両の動向を把握することで、犯罪の早期解決や犯人の追跡に貢献しています。
また、事件捜査に限らず、行方不明者の捜索などにも使われることがあり、社会の安全を支える重要なインフラとして機能しています。
設置されている台数については、2015年の国会資料によれば、警察庁が1511式、各都道府県警察が179式を保有しており、全国で合計1690式が運用されています。単純に計算すると、1つの都道府県あたり平均で約36式が設置されていることになります。
具体的な設置場所は公開されていませんが、交通量の多い幹線道路や県境、空港の周辺といった、クルマの移動が頻繁な場所に設置されることが多いとされています。
一方、多くのドライバーが耳にするオービスは、正式名称を「速度違反自動取締装置」といいます。こちらはNシステムとは目的が異なり、設定された制限速度を大幅に超過した車両を検知した際に、自動でその車両とナンバープレート、そして運転者を撮影して記録する装置です。撮影された画像データは違反の証拠として用いられ、後日、違反したドライバーのもとへ通知が送付される仕組みになっています。
特に高速道路や、交通事故が頻発する国道などでは、固定式のオービスが設置されていることがあります。死亡事故や重大な事故を未然に防ぐため、速度超過が問題となりやすい区間を中心に設置されているのが特徴で、速度違反を抑制し、安全運転を促すという役割を担っています。
この二つの装置は見た目が似ているため見分けるのが難しいと思われがちですが、実際にはいくつかの相違点があります。
例えば、固定式オービスはNシステムと比較して本体が大きく、撮影用のストロボといった発光装置が備わっている場合が多いです。そのため、複数の機械が一体となって設置されていることもあります。対照的に、Nシステムは赤外線カメラでナンバーを読み取るため、発光装置は付いていません。
さらに決定的な違いとして、オービスが設置されている道路では、その手前に警告看板が設置されている点が挙げられます。通常、数キロ手前から「自動速度取締機設置路線」といった標識で、ドライバーに速度への注意を促しています。これは、ドライバーのプライバシー権に配慮して設けられている措置です。
逆に、Nシステムにはこのような予告看板は一切ありません。したがって、カメラのような装置はあっても警告看板が見当たらない場合、それはNシステムである可能性が高いと言えます。
また、オービスは速度違反を検知すると赤や白の強い光を発して撮影しますが、Nシステムは赤外線を使用しているため、人間の目では光っている様子を確認できません。ただし、ドライブレコーダーのカメラには赤外線が映り込むことがあり、録画された映像では光って見える場合があります。
道路上にカメラ型の装置を見かけると、思わず速度を落としてしまう人もいるかもしれません。しかし、その装置の種類によっては、速度違反の取り締まりとは直接関係ないこともあります。慌てて急ブレーキをかけると後続車との車間距離が詰まり、追突事故を引き起こす原因にもなりかねません。
このような危険を避けるためにも、日頃から法定速度を遵守し、冷静な運転を心がけることが何よりも重要です。