アメリカがイランの海上封鎖を解除 イラン最高指導者はトランプ氏が「絶望」して合意と
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アメリカは18日、イランとの戦争終結に向けた合意に署名したことを受け、同国に対する海上封鎖を解除した。
米中央軍(CENTCOM)はソーシャルメディア「X」で、「大統領の指示に従い」封鎖を終了したと認めた。一方で、一部の艦艇はなお「その周辺地域」にとどまるとしている。
その直後、イランの最高指導者モジタバ・ハメネイ師は通信アプリ「テレグラム」で英語の声明を発表し、アメリカとの合意を承認したと述べた。自分は「異なる見解」を持っていたとも書いたが、その詳細には触れなかった。モジタバ師は、マスード・ペゼシュキアン大統領から「イラン国民の権利を守る」との保証を受けた後で、この合意を認めたと説明した。
モジタバ・ハメネイ師は、ドナルド・トランプ米大統領が「絶望のあまり、あらゆるてこ入れを使い」合意を実現させようとしたのだとも書いた。
最高指導者はさらに、両国は「今後、対面での交渉」が行われることになるが、これは「敵の立場を受け入れることを意味しない」とも語った。
イランの最高指導者がこの合意に言及したのはこれが初めて。モジタバ師は、2月28日の米・イスラエルによる攻撃で、前任者の父アリ・ハメネイ師が殺害されたことを受けて3月に就任して以来、公の場に姿を見せていない。
トランプ氏はモジタバ・ハメネイ師の発言に直接反応しなかったが、自分のソーシャル「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘を含めた「すべての前線で」停戦が発効するはずだと書き、中東諸国が「我々の交渉の実現を認めるという約束を維持する」ものと考えていると述べた。イランが支援するヒズボラは、アリ・ハメネイ師殺害の報復としてイスラエルを攻撃し、レバノンをこの紛争に巻き込んだ。
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米・イラン合意は、ホルムズ海峡の再開、イランが決して核兵器を保有しないこと、さらに同国の「復興と経済開発」に向けた3000億ドル(約48兆円)の資金の確保など、14の項目を中心としている。資金については、アメリカの拠出は義務づけていない。
また、「最大」60日以内に最終合意に向けて交渉し、合意に達することを約束するとしている。ただ、双方の合意があればこの期限は延長可能としている。
公式の調印式は当初、19日にスイスで行われる予定だった。しかし交渉を仲介したパキスタンはBBCに対し、すでに遠隔で署名が行われたため、調印式はとりやめになったと説明した。なお、アメリカとイランの代表は、引き続き協議するためスイスで会合を開く見通しだ。
J・D・ヴァンス米副大統領はホワイトハウスで、この合意が発効し、継続協議のための60日間が始まったと記者団に述べた。また、自分が「技術的な交渉」のためスイスに向かう可能性が高いと語った。
一方、交渉の時期には言及せず、イランは「外に出るのが容易な国ではない」としたうえで、「それがいつになるのかを正確に見極めようとしているところだ」と述べた。
トランプ氏がイランとの戦争終結を決断したことは、アメリカ国内の一部から批判を招いている。共和党内からは特に、イラン向け復興基金の規定を含む合意条件に失望する声があがっている。
同党のビル・キャシディ上院議員(ルイジアナ州選出)は、この合意を「数十年で最悪の外交上の失策」と表現。「イランの核への野心は抑制されていない。また、イランはホルムズ海峡を脅かすことが有効だと学んだ」と指摘した。
一方、ヴァンス副大統領はこの合意を擁護し、イランは合意に定められた義務を履行しない限り、資金や制裁緩和を受けることはないと述べた。
また、合意はイランに対し、濃縮ウランの備蓄の破棄や、中東の代理勢力に資金提供しないことを示すよう求めていると説明した。
ヴァンス氏はさらに、イランとの合意を批判しているイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の閣僚らを非難し、「現実を直視すべきだ」と述べた。
「もし自分がイスラエル政府の閣僚なら、世界に残る唯一の強力な同盟国を攻撃することはしないだろう」
さらに、18日付の米紙ニューヨーク・タイムズに掲載されたインタビューでヴァンス氏は、この合意に反対している人物として、イスラエルのイタマル・ベン・グヴィル国家安全保障相とベザレル・スモトリッチ財務相を名指しした。
「彼らに私はこう答える。あなた方の具体的な提案とは、何なのか。あなた方は人口900万人の国だ。自国が抱えるあらゆる国家安全保障上の問題を、ただひたすら殺し続けることで解決するなどできない」と、ヴァンス氏は述べた。
一方、ネタニヤフ首相自身は18日、イスラエルとアメリカの緊密な関係を維持する重要性を強調し、イランとの戦争の間、アメリカは同国と「肩を並べて」立っていたと述べた。
しかし、米・イラン合意が発表されて以降も、イスラエルとヒズボラは互いに攻撃を行っている。18日には、レバノンで3人が死亡したとされる攻撃も報告されている。
イスラエルは、ヒズボラとの衝突はイランとの戦争とは別物だと主張している。ヒズボラもまた、イランとアメリカの合意条件を拒否している。
ヴァンス氏は記者団に対し、イスラエルはイランとの和平プロセスを尊重する必要があると強調。これはイスラエルにとっても有益だとしたうえで、レバノンの首都ベイルートで民間人を殺害する攻撃は「容認できない」と述べた。