【大河ドラマ 豊臣兄弟!】織田信長役・小栗旬さんが語る“本能寺の変”「本火でロケ撮影ができたのは光栄」「もし秀吉が信長を討ちにきたら、喜んで後を託した」

「豊臣兄弟!」第27回では、いよいよ本能寺の変が描かれます。その放送を前に、織田信長役の小栗旬さんが合同取材会に出席。本ドラマにおける信長の魅力や、本能寺の変の見どころ、さらにネットの反響についても語ってくれました。(場面写真はNHK提供)

信長も僕らと変わらない人間

――信長は、どんな人だと思っていますか?

小栗さん:ものすごく強い人というイメージがありましたが、今回の信長は大きな葛藤や迷いがある中で生きているので、僕らと何も変わらない人間だと思いました。例えば、松永久秀(竹中直人さん)のように裏切った相手にも交渉材料を出し、許す余地を与えているので、修羅のような人とは思えません。

――信長の生き方に共感できる部分はありますか?

小栗さん:現代の感覚では、信長の行為は理解できない部分が圧倒的に多いです。そんな彼がなぜ人々を魅了するのか、秀吉役の池松壮亮君と話したことがあります。GOD(Generator創造神, Organizer維持神, Destroyer破壊神)という考え方に当てはめると、信長が破壊した後に秀吉が創造し、家康が維持する。この神の中で、破壊神が一番人気だと池松君から聞きました。人はなかなか自分ができないことを実行する人には、魅力を感じてしまうものだと思うので、破壊神が一番人気と聞いて納得しました。

もし秀吉が討ちに来たら、喜んで死んだ

――第26回では、秀吉と語り合うシーンが印象的に描かれています。

小栗さん:信長は、第25回で描かれているあたりから引退を考えていたのではないかと思っています。古参の武将たちを引退させ、自分の後を誰に任せようかと考えていたとき、第26回で秀吉が「殿と一緒に新しい世の中をつくって人々を喜ばせたい」と言ったのです。今まで無理難題を押し付けられてきたのに、まだ明るい未来を描こうとする秀吉の言葉を聞いたとき、彼になら後を任せられるかもしれないと思いました。もし秀吉が本能寺に現れ、信長を討ちに来たとしたら、喜んで後を託して死んだのではないかと僕は思っています 。

――秀吉のことは信頼していたのですね。

小栗さん:信長は裏切られる回数が多いので、人を信じることが難しくなり、追い込まれていったのだと思います。弟の信勝(中沢元紀さん)、義弟の浅井長政(中島歩さん)、松永久秀(竹中直人さん)や荒木村重(トータス松本さん) にも裏切られますが、秀吉だけは裏切らない。秀吉と兄弟になれたら自分の人生は違っていた、と信長は思っていたのかもしれません。

本能寺はロケで撮影

――今回の本能寺の変について、見どころを教えてください。

小栗さん:本能寺でのラストシーンは、ロケで撮影しました。本当の火に囲まれて撮影したので、迫力ある映像になっていると思います。

――明智光秀(要潤さん)が覚悟を決めるまでの経緯については、いかがですか?

小栗さん:本能寺で謀反を起こしたのは光秀ですが、首謀者については諸説あります。今回は、兄弟をテーマにしたドラマならではの納得のいく展開になっていますし、家康をもてなす有名な宴席のシーンでは、光秀にかなり激怒したので、信長を相当憎んでいると思います。

豊臣兄弟に愛されていると実感

――小一郎役の仲野太賀さんと池松さんの魅力について、教えてください。

小栗さん:太賀君は、得体の知れない丸みや優しさを感じる瞬間があります。池松君は、芝居をしていると怖さを感じるような狂気性があって、ただ明るいだけじゃない秀吉が突き刺さってきます。ときどき、今回の信長を好きでいられるのか、不安に思うこともあるのですが、あの二人が常に信長を愛する姿を見せてくれるので、僕も愛されているつもりで演じています(笑)。

――信長にとって、二人は大事な存在ですね。

小栗さん:このドラマでの信長に欠けている感覚を多く持っているのが秀吉だったので、自分の判断や考えが狂わないための最後の指針として、手元に置きたかったのだと思います。いろいろ知恵を絞って動く小一郎は、出会ったときには藤吉郎(秀吉)よりも使える存在だと認識していたのですが、途中から少し疎ましくなりました。必死に兄を助けようとする姿を見ると、弟へのトラウマを抱える信長は、傷をえぐられる気持ちになるのだと思います。

首の傾きは“鎌倉殿”の続き?

――「鎌倉殿の13人」で主演を務めたことで、プラスになったことはありましたか?

小栗さん:大河ドラマに出ると、馴染みのスタッフさんがどんどん増えていくので、みなさんが「おかえり」と受け入れてくれるのがすごく嬉しいです。当時の経験は、確実に自分の血肉となっていると思います。

――ネットでは、「小栗さんの首が傾いているときが怖い」と騒がれていますが、認識されていますか?

小栗さん:認識はしております(笑)。「鎌倉殿の13人」でも首を傾けていたので、そのときから「ヤバい」と言われていたそうです。視聴者に期待されているので、逆に後半では傾かないように意識してみました(笑)。

――信長を演じて、何かご自身に変化はありましたか?

小栗さん:信長役を引き受けた大きな理由は、太賀君と池松君の存在です。現場で彼らと一緒に芝居をしていると、心震える瞬間が非常に多くあります。お二人とご一緒できたことで、改めて芝居にきちんと向き合いたいと思えるようになったのは財産です。きちんとした織田信長を演じてみたかったので、その夢が叶ったのもよかったと思っています。

小栗旬(おぐり・しゅん)さん 1982年東京生まれ。ドラマ、映画、舞台で活躍。主な出演作に『ごくせん』『花より男子』シリーズ『銀魂』シリーズ『古代史ドラマスペシャル 大化改新』など。大河ドラマには『秀吉』『葵 徳川三代』『義経』『天地人』『八重の桜』『西郷どん』などに出演。『鎌倉殿の13人』では主人公・北条義時を演じた。

大河ドラマ「豊臣兄弟!」 NHK総合  日曜 夜8時00分~ 他 【作】八津弘幸  【音楽】木村秀彬  【語り】安藤サクラ

【出演】仲野太賀 池松壮亮 ほか

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