米軍の作戦計画漏えい、司法長官は調査求めず-上院は国防総省に要請
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- 機密指定されていない機微情報が不注意で公開されたと司法長官
- 5日間の通信内容を全て保全するよう連邦地裁判事は高官らに命じた
トランプ米政権の高官らが、親イラン武装組織フーシ派を攻撃する作戦を協議したチャットに米誌編集長が誤って招待され、情報が漏えいした問題で、ボンディ司法長官は27日、調査を求めない考えを明らかにした。
通信アプリ「シグナル」のグループチャットに編集長が誤って招待された米誌アトランティックが24日に暴露記事を配信し、ワシントンに衝撃が広がった。
国家安全保障の専門家や共和党陣営の多くの人々でさえ、今回の失態と機密性の高い作戦プラン共有は適切な手続きに反し、違法だった可能性があると指摘している。
上院軍事委員会のロジャー・ウィッカー委員長(共和)と民主党のジャック・リード議員は、国防総省の監察官代行に宛てた26日付の書簡で正式調査を求めた。
通常であれば、こうした書簡を受理すれば、ほぼ直ちに調査が開始されるはずだ。しかし、トランプ氏が1月の大統領就任後、複数の監察官を解任したことで、職務の多くが宙に浮いたままだ。
一方、コロンビア特別区(首都ワシントン)連邦地裁のジェームズ・ボーズバーグ判事は、この日の民事訴訟の審理で、ヘグセス国防長官をはじめとする高官らに対し、シグナルで今月11-15日の5日間に交わした通信内容を全て保全するよう命じた。
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記事配信の4日後の司法長官の発言からは、今回の出来事を過去のものにしたいトランプ政権の思惑が見て取れる。
ボンディ司法長官は、バージニア州で開いた記者会見で、「機密指定されていないセンシティブ情報(機微情報)が不注意で公開された。非常に成功した作戦だった点に言及すべきだ。ミッションのおかげで、われわれの世界はより安全になった。それ以上コメントするつもりはない」と語った。
ボンディ氏は、既に調査対象となっているバイデン前大統領と民主党の元大統領候補、ヒラリー・クリントン元国務長官の失態にむしろ注目すべきだと主張した。
原題:Bondi Suggests No Signal Inquiry as Senators Request a Probe (1)、US Agencies Ordered by Judge to Preserve Recent Signal Chats (1)(抜粋)