ベッセント氏、統計局長解任を支持-違う空港に着陸したレベルのミス
ベッセント米財務長官は労働統計局(BLS)の局長解任を指示したトランプ大統領の行動を擁護し、BLSの改革はずっと前になすべきことだったと述べた。
「BLSはずっと前に刷新されるべきだった」とベッセント長官は7日、ニュース専門局MSNBCで発言。雇用者数の大幅下方修正について、「ニューヨークに行くつもりでマイアミで飛行機に乗ったら、デンバーに着いたような間違いだ」と話した。
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1日に発表された7月の雇用統計では、5月と6月の雇用者数増加が合わせて25万8000人下方修正された。引き下げ幅は新型コロナ禍の最中にあった2020年春以来の大きさだった。トランプ大統領は統計発表の直後に、「このような数字は公平かつ正確でなければならず、政治目的のために操作されてはならない」と述べ、マッケンターファーBLS局長の解任を指示した。
BLSの統計に関しては、調査対象企業からの回答率低下が大幅修正の要因になっていると、しばらく前から経済学者らに指摘されている。ベッセント長官は雇用主から十分な回答が得られないのであれば、「新たなデータ収集方法を見つけるのがBLSの責務だ」と述べた。
「古いやり方を続けながら異なる結果を期待するとは、極めて怠慢ではないだろうか」とベッセント長官。マッケンターファー氏の後任には「非常に有能な統計学者、または労働経済学者が適任だ。このような規模の誤りを繰り返さない人でなくてはならない」と続けた。
FOMC
7月30日の連邦公開市場委員会(FOMC)について、ベッセント長官は「何かがおかしい」と語った。FOMCは政策金利を据え置いたが、その2日後に発表された雇用統計で労働市場は一変した。
「つまり連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストらには、BLSが把握していた状況が見えていなかった」か、あるいはBLSのデータが「不正確だった」かのどちらかだと語った。
ベッセント長官は2日前、自身は現職にとどまりたい意向をトランプ米大統領に伝え、パウエルFRB議長の後任指名を辞退した。「選考プロセスにおいて大統領を助けるつもりだ」と述べ、「多数の有力候補がおり、すでに面接プロセスを開始している」と話した。
関税
トランプ政権の貿易政策について、現時点でディールは「大方完了している」とし、今年の関税収入は約3000億ドル(44兆2000億円)に上る可能性があると強調した。来年については「さらに高い数字になる可能性がある」という。
また、トランプ政権の関税引き上げが1930年代以来の大規模な衝撃を世界貿易に及ぼすという見方について、この表現はむしろ「中国ショック」に当てはまると反論。「われわれは2000年代初期に起きた中国ショックにまだ対応している状態だ」と述べた。
原題:Bessent Says Labor Data Clean-Up Should Have Happened Long Ago(抜粋)