熱帯性のウミガメ、米カリフォルニア州の海岸で産卵 史上初めて確認

(CNN) 通常は熱帯地域に生息するウミガメが、米カリフォルニア州の海岸で産卵している姿が確認された。当局によると、史上初の事例だという。 【画像】砂の中に産み落とされたヒメウミガメの卵 ヒメウミガメ(オリーブ・リドリー)はウミガメの中で最も小型な種の一つで、オリーブグリーン色をしたハート形の甲羅が特徴だ。通常は太平洋、インド洋、大西洋の熱帯域に生息しているが、今月、2匹がカリフォルニア州の海岸に上陸した。 米魚類野生生物局によると先週、オレンジ郡北西部のシールビーチ国立野生生物保護区付近で、ヒメウミガメが巣穴を掘っている姿が目撃された。 その数日後、同じくオレンジ郡のハンティントン・ビーチ・ピア付近でも、産卵中のヒメウミガメが確認された。当初は同一の個体とみられていたが、体型や甲羅の独特な模様を専門家が分析した結果、別々の個体であることを確認した。 米国海洋大気局(NOAA)はソーシャルメディアへの投稿で、今回の目撃例について「米西海岸において自然のウミガメの産卵が記録された史上初の事例」だと述べている。 ヒメウミガメは「アリバダ(arribada)」と呼ばれる一斉産卵を行うことで知られており、コスタリカやメキシコなどの国々では、数千匹が同時に特定の海岸に上陸して産卵する現象が観察されている。しかし、より一般的なのは単独での産卵であり、今回のカリフォルニアの事例もこれに該当するとみられる。 科学者たちは現在、カメたちが北上した理由について調査を進めている。また今回の出来事が一時的な異変なのか、それとも人間活動に起因する気候危機による海洋温暖化に伴って生息域が長期的に拡大しつつある兆候なのかを解明しようとしている。 NOAAのウミガメ生態・評価プログラムを率いるジェフリー・セミノフ氏によれば、カメたちの行動は現在進行中の「スーパー・エルニーニョ」による海水温上昇の影響を受けている公算が極めて大きい。 とはいえ、これが唯一の理由というわけではなさそうだ。セミノフ氏はウミガメについて、海洋を移動するに当たり「体内や環境に由来する多くの手掛かりを利用している」と指摘。具体的には「自らの体内コンパス(いわば『内蔵型GPS』のようなもの)、水温や波の向き、季節など」が動向を左右するという。 同氏は、持続的な水温の上昇や「GPSの誤作動」など、複数の要因が重なった結果、ウミガメが自分たちの上陸地をメキシコの産卵地だと勘違いした可能性があるとみている。 別の説として、太平洋での暴風雨の活動によってカメが本来のルートから外れたことも考えられる。エルニーニョ現象による記録的な海水温の上昇がハリケーンの勢力を強める中、最近の太平洋は特に荒天が続いている。 「原因については、あらゆる可能性が考えられる。具体的な理由を解明するのは至難の業だろう」(セミノフ氏) ヒメウミガメは通常約100個の卵を巣に産み落とすが、子ガメの性別は気温に左右される。気温が高いほどメスが生まれる傾向があり、ヒメウミガメの場合、約30.6度以上では、孵化(ふか)した子ガメのほとんどがメスになる。 今後は関係機関の合同チームが、一般的な孵化期間となる45〜60日間にわたり、カリフォルニア州にあるこれらの巣を監視する予定。すでに産卵場所は柵で囲われており、子ガメが孵化する可能性を最大限に高めるため、人々には距離を保ち、邪魔をしないよう呼びかけが行われている。米国では、ウミガメは「種の保存法(Endangered Species Act)」によって保護されている。 非営利団体「アクアリウム・オブ・ザ・パシフィック」の社長兼最高経営責任者(CEO)を務めるジェフ・フロッケン氏は、声明の中で「もし無事に孵化すれば、この子ガメたちはいつか同じ浜辺に戻って産卵し、次世代へと命をつ​​ないでいく可能性がある。我々にはある種の生物がその生息域を広げ、繁栄するのを助ける素晴らしい機会が与えられている」と語った。

CNN.co.jp
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