「前例のない事態」 英政府、髄膜炎流行の封じ込め急ぐ
英イングランド南東部ケント州カンタベリー市の街並み(2019年1月22日撮影)。(c) Daniel LEAL / AFP
【AFP=時事】英政府は17日、髄膜炎で2人の学生・生徒が死亡し、13人が入院したことについて、「前例のない事態」と表現した。髄膜炎の発生は、イングランド南東部ケント州のナイトクラブと関連があるとされている。
ウェス・ストリーティング保健・社会福祉相は議会で、感染が「急速に拡大している状況」であり、確認された感染者数は15人に増加したと述べた。
英国健康安全保障庁は、イングランド南東部ケント州で発生した感染症の流行により、21歳の大学生と18歳の高校生の2人が死亡したと発表した。
感染症の流行は、ケント州カンタベリー市にある学生・生徒に人気の3階建ての大型ナイトクラブ「クラブケミストリー」と関連しているとされている。
UKHSAは、死者を含む「15件の感染例」が報告されており、13件から増加したと述べた。
4件の感染例は、ウイルス性よりもまれで致死率が高い細菌性の「髄膜炎B型」と特定されたという。国民保健サービスによると、髄膜炎B型は感染例の約10%で死に至る。
髄膜炎は、脳と脊髄を包んでいる膜に影響を与える感染症で、特に幼児や10代、若年層の成人に多く見られる。
ストリーティング氏は、この感染症は「長いキスや、電子たばこや飲み物の共有」といった密接な接触を通じて広がる可能性があると述べた。
公衆衛生対策の焦点は、約1万8000人の学生が在籍するケント大学に置かれており、同大には髄膜炎で入院している学生もいる。
同大には17日に抗生物質を提供するクリニックが開設された。また、ストリーティング氏は、大学の寮に住む学生を対象とした予防接種プログラムについても発表した。
さらに、フランス当局が14日、ケント大学に通っていた学生が関与する感染例を報告したが、詳細は明らかにされていないと付け加えた。
UKHSAが感染症による死者について発表したのは、最初の感染例が報告されてから2日後の15日で、感染症の流行について公衆への通知が遅れたとする批判にさらされている。
UKHSAの副責任者は、感染者の密接な接触者を特定し通知するために「緊急対応」を取ったと述べ、「公衆衛生対応に遅れがあったとは思わない」と主張した。
クラブケミストリーはインスタグラムで、スタッフの1人が髄膜炎の治療を受けており、予防措置として営業を停止したことを発表した。 【翻訳編集】AFPBB News