GeForce RTX 3070ユーザーが秋葉原でRTX 50シリーズを体験してしまった結果

 NVIDIAは4月5日、秋葉原のe-sports SQUARE AKIHABARAにて、先日発表されたノートPC向けGPU「GeForce RTX 50」シリーズの新機能やパフォーマンスなどを紹介するメディア向けイベント「GeForce RTX 50シリーズ ノートPC メディア説明会&デモショーケース」を開催した。その後は同じ会場にて、一般入場客を招いてのイベント「NVIDIA Gamer Day」も続けて行なわれた。 【画像】「NVIDIA Gamer Day」の会場の様子  イベントのMCは、格闘ゲームやFPSの大会実況などでお馴染みのふり~だ氏、加えて、NVIDIA Gamer Dayのゲストには、声優の黒木ほの香氏も登壇し、ステージ上でのデモプレイなどを行なって会場を盛り上げた。  会場にはサードウェーブ(GALLERIA)、MSI(Vector/Titan)、GIGABYTE(AORUS)、ASUS(ROG)、Acer(Predator)のゲーミングブランドノートPCにGeForce RTX 50シリーズを搭載した新製品を展示、新機能である「DLSS 4」を生かしたゲームプレイや、AIを活用した高品質な映像編集や配信時のビデオエフェクト機能などのデモを行なった。  本稿では、メディア向けに行なわれたGeForce RTX 50シリーズの新機能についての簡単な解説と、NVIDIA Gamer Dayでの会場の様子などについて簡単にレポートする。 ■ マルチフレーム生成に対応したDLSS 4やAI処理強化など性能が向上したGeForce RTX 50  メディア向けに行なわれた「GeForce RTX 50シリーズ ノートPC メディア説明会」では、NVIDIAテクニカルマーケティングマネージャー澤井理紀氏によるプレゼンテーションが行なわれた。  GeForce RTX 50シリーズ(RTX 5090/5080/5070Ti/5070)の特徴として、前モデルRTX 40シリーズと同等のパフォーマンスを半分の電力で実現できるなど、電力効率が向上している点や、従来と比較して2倍高速、2倍大きくなったAIモデルを挙げたほか、ビデオ編集の速度が40%高速になった点などの強化ポイントをアピールした。  GPU内部のアーキテクチャとしては、Blackwellアーキテクチャを採用。AI関連の処理を行なうTensorコアは、第4世代から第5世代に進化し、FP4に対応したほか、レイトレーシングに特化したRTコアも第4世代に進化、「Mega Geometry」と呼ばれる仕組みが導入され、さらなる処理の高速化を実現した。動画エンコーダのNVENCやデコーダのNVDECも進化し、搭載メモリはGDDR7となり、転送速度は28Gbp、容量は最大24GBとなった。  ゲームプレイ時にフレームレートを向上させる「DLSS」についても最新バージョンの「DLSS 4」に進化。出力解像度を下げ、AIを活用したアップスケーリングを内部で行なうことで、パフォーマンスを向上させていたが、この基本モデルを更新。DLSS 3で使用していた「CNN(畳み込みニューラルネットワーク)」モデルから「Transformer」モデルに置き換えたことで、4倍の演算能力を実現、さらなる画質の向上を果たしている。  また、従来の機能では2フレーム間の1フレームを生成してフレームレートを向上していたが、AIの活用により最大3フレーム生成が可能となり、これらを組み合わせることで、最大8倍の滑らかな動作を実現したとしている。  現在GeForce RTXシリーズを使用するユーザーのうち、70%がGeForce RTX 30シリーズ以前を利用しているというデータを公開し、この70%のゲーマーたちからの買い替え需要に対して、最新のGeForce RTX 50シリーズが最適として、改めてその性能差をアピール。GeForce RTX 50シリーズ搭載のノートPCこそが、ゲーミングノートPC市場の新たな「ゲームチェンジャー」となる点を強調してプレゼンテーションは締めくくられた。 ■ 各社のRTX 50シリーズ搭載ゲーミングノートPCが展示  会場内の展示エリアには、GALLERIA、MSI、GIGABYTE、ASUS、AcerのゲーミングブランドノートPCにGeForce RTX 50シリーズを搭載した新製品を展示されていた。  展示された最新のゲーミングノートPCではゲームを動作させ、「DLSS 4」によるパフォーマンスの高さを示したり、AIを活用した動画編集や映像配信のアプリを用いたデモを展示しており、実際に手に触れて操作したり、ゲームをプレイすることなどで、その性能を体感できた。  秋葉原という身近な場所で、これだけの最新ハイエンドゲーミングノートPCが一堂に会することは実はあまりないので、貴重な体験という印象だった。 ■ 高フレームレートを保持する「Cyberpunk 2077」プレイに黒木ほの香氏も大興奮!  一般入場客を招いてのNVIDIA Gamer Dayでは「NVIDIA スペシャルプレゼンテーション」として、メディア向けの物と同じように、GeForce RTX50シリーズの機能などを紹介する「NVIDIA スペシャルプレゼンテーション」を行ない、その後はステージイベント「GeForce RTX デモセッション」として、ゲストに声優の黒木ほの香氏が登壇し、ゲームプレイやAIによる配信機能や画像生成などのデモが行なわれた。  黒木氏はゲーム「Cyberpunk 2077」をプレイして、そのパフォーマンスを体感するデモに挑戦し、NPCとのボクシング対決に大興奮。ところがゲーム画面に表示されるフレームレートは70fps前後と、あまり高パフォーマンスが発揮されておらず、対決にも負けてしまい、不完全燃焼のまま、次のデモに進行することとなった。  ここでどうにも想定通りのパフォーマンスが出ていないと、急遽裏方のスタッフたちも集まって、あれこれ調べてみたところ、なんとパフォーマンスが発揮されていなかった理由はAC電源ケーブルが抜けており、バッテリ駆動でゲームをプレイしていたことが発覚!つまり、先ほどのゲームプレイは本来のパフォーマンスが発揮されていなかったのだ。バッテリ駆動によりパフォーマンスが低下した状態であっても、常時70fps前後でゲームが動作していたために、違和感が少なかった点は驚きだ。  AC電源を接続し、万全のセッティングが完了したところで、続いては同社が無償で提供する「NVIDIA Broadcast」アプリを使って配信時のビデオエフェクトの機能について紹介した。画面上には補正前と補正後の映像が2分割で同時に表示されており、薄暗い場所であっても、AIによる補正で表情を明るくするデモや、実際の目線が異なる方向を見ていても、AIによる自動補正で常にカメラ目線を維持するデモなどが行なわれ、会場からもどよめきが上がった。  続いてはBlenderを使用した、AIによる画像生成のデモが行なわれ、配置した木のオブジェクトに桜の花のエフェクトを適用する処理が瞬間的に変化する様子に会場からも歓声が上がった。  最後にイベント自体はやや時間が押していたのだが、先ほど不完全燃焼だったとのことで「Cyberpunk 2077」のボクシングに再挑戦。先ほどと比べるとフレームレートが大きく変化しており、常時200fps以上の高パフォーマンスを発揮。動きがスムーズになったためか、慣れてきたためか、黒木氏のテンションもどんどん上がっていき、NPC相手に容赦のない言葉攻めとスムーズな攻防を披露し、見事にボクシング対決に勝利できた。  気持ちよくゲームをプレイしたところで、最後は来場者限定のプレゼント抽選会が行なわれてイベントは終了となった。 ■ ノートPC向けであっても高性能なGeForce RTX 50シリーズ  以上、NVIDIA主催で行なわれたメディア向け説明会と去年に引き続き開催されたイベント「NVIDIA Gamer Day」の前半部の模様を簡単にレポートした。  会場には非常に多くの来場者が訪れており、大盛況のステージイベントとなった。もちろん人気声優である黒木ほの香氏のファンや、プレゼント抽選会目当ての来場者も多かったと思われるが、NVIDIAがゲーミングノートPCに掛ける期待や、一般の来場者の人たちからの注目の高さが感じられるイベントになっていたように感じられる。  GeForce RTX 50シリーズ、発売後の売れ行きは好調だったということだが、年々値上がりを続けるGPU価格が今後の売り上げにどのように影響するのかが、個人的には気になるところだ。  今回展示されたようなゲーミングノートPC搭載製品が発売して、NVIDIA側の想定通りの買い替え需要にマッチして好調な売れ行きを見せることになるのか、今後の動向にも注目したい。  なお、筆者も前述のグラフでは70%の中に入る“GeForce RTX 30シリーズ勢”だが、今回のGeForce RTX 50シリーズについてはかなり魅力を感じており、どうにかして予算を工面しようと考えている。

PC Watch,池紀彦

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