日銀利上げ見送りなら円急落か、米大統領発言でドル急変も=来週の外為市場
1月17日、来週の外為市場でドル/円は、上下に値動きの荒い展開となりそうだ。写真は2016年1月撮影(2025年 ロイター/Jason Lee)
[東京 17日 ロイター] - 来週の外為市場でドル/円は、上下に値動きの荒い展開となりそうだ。日銀が利上げを実施するとの見方が急速に強まってきたことで、仮に見送りとなれば円が大きく売られる可能性がある一方、米国では次期大統領に正式就任するトランプ氏がどのような出足を見せるかが、ドルの行方を大きく左右する見通しだ。
予想レンジはドルが153━158円、ユーロが1.01―1.04ドル。
日銀の植田和男総裁、氷見野良三副総裁が相次ぎ利上げに前向きな姿勢を示したとして、市場では23─24日の金融政策決定会合で利上げが行われるとの見方が一気に主流となってきた。
ドルが10日に付けた158円台の高値から154円台へ下落したのに歩調をあわせ、かねてより予想が二分されていた金利先物市場でも、利上げ確率が5割弱から8割近くに上昇した。短期間で利上げを勢いよく織り込んだだけに「これで見送られるようなことになれば、円は大きく反落する可能性がある」(トレイダーズ証券市場部長の井口喜雄氏)という。
20日に就任式を行うトランプ次期大統領の「初日」も波乱含みだ。就任初日には、関税や税金など外国からの歳入を徴収する「外国歳入庁」の創設など25以上の大統領令発出を計画 もっと見る しており、その内容に応じてドルを含む米国資産、ユーロやカナダ、メキシコなど多くの通貨に影響が及ぶことになる。
米商品先物取引委員会(CFTC)がまとめたIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組状況を基に、みずほ銀行が集計したところ、主要8通貨に対する投機筋のドルの買い持ち高は、直近の今月7日時点で2019年5月以来の高水準へ膨らんだ。「トランプ政権への期待を手掛かりとするドル買いはかなり進捗しており、反落リスクも高まっている」(大手銀ストラテジスト)との指摘も出ている。
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