LME銅、深刻な供給逼迫が突然終了-トランプ氏の50%関税表明で
Jack Ryan
トランプ米大統領が近く銅に50%の関税を課す方針を明らかにしたことで、銅の深刻な供給逼迫(ひっぱく)は突如として終了しつつある。米国市場での価格高騰から利益を得る機会は狭まっている。
ロンドン金属取引所(LME)の主要スプレッドは、6月後半に米国向け出荷ラッシュに伴う在庫の枯渇を受けて急拡大していたが、現在は縮小している。
LMEでは銅のスポット価格が一時、約1カ月ぶりに3カ月物を下回った。これはLME指定倉庫の銅在庫の需要が急速に減少していることを示唆している。翌日物と翌々日物のスプレッド(トムネスプレッド)もマイナスとなった。
ホワイトハウスが今回、関税発効が間近だと示唆したことは、政策の実施前に米国市場とロンドン市場の価格差から利益を得る時間的猶予がなくなりつつあることを意味する。欧州やアジアの倉庫から米国に出荷するには数週間を要するため、今後は関税が発動された後に貨物が米国に到着するリスクが高まる見通しだ。
9日のLMEの銅相場は前日比1.6%安の1トン=9630.50ドルで終了した。
原題:Copper Squeeze Unravels With Window Closing to Beat Trump Tariff(抜粋)
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