中居正広氏 フジテレビから「100億円賠償」請求も 第三者委員会の結論次第で

 元タレント中居正広氏(52)がフジテレビから100億円規模の損害賠償を請求される可能性が出てきた。27日に行われたフジの再会見で、遠藤龍之介副会長は中居氏への法的措置について「可能性はゼロではない」と発言。芸能界を引退しても悠々自適と思われた中居氏だが、第三者委員会の結論次第では大ダメージを負うことになりそうだ。

 中居氏は今月23日、ファンクラブ向け有料サイトで芸能界引退を表明。関係各所に謝罪の言葉を並べた上で「こんなお別れで、本当に、本当に、ごめんなさい。さようなら…」とつづり、37年間の芸能生活にピリオドを打った。

 しかし中居氏が引退しても騒動は収まるばかりか、過熱の一途だ。27日には港浩一社長ら経営陣5人が顔をそろえ、およそ10時間に及ぶロング会見を行った。

 その席上、一部記者から中居氏に対する損害賠償の可能性について質問が飛んだ。これに遠藤副会長は「第三者委員会の結論が出ておりませんので、今のところまだ考えていない」と回答。結果次第で可能性があるのかと問われると「そういう可能性もゼロではないかもしれません」と話した。

 中居氏が起こした女性トラブルはフジに飛び火し、CMを差し止めたスポンサー企業は80社以上。系列地方局にも被害が拡大している。

 フジ・メディア・ホールディングスは30日、2025年3月期の通期業績予想を下方修正すると発表。売上高は5983億円から5482億円へと501億円減少し、純利益は、これまでの290億円から98億円へと66・2%減少する。フジテレビは放送収入の合計が233億円減る見通し。

「1月以降、CMをACジャパンに差し替えたものに関しては、広告費を請求しない方針であることも響いた。3月末に第三者委員会の調査結果が公表される予定だが、それが出たからといってCMが再開される保証はない。以前の価格ではCM枠の買い手がつかないかもしれない。出口は依然として見えない」とは代理店関係者。

 中居氏が賠償請求されるとすれば、どのようなケースが想定されるか。紀藤正樹弁護士によれば「第三者委員会がどのような結論を下すか。中居氏にも過失があると判断されれば、フジは何らかの決着をつけるはずだ。中居氏が犯したのは刑事事件的な違法行為か、それとも民事的なものだったか。あるいは犯罪ではないが、道義的な責任が問われるものなのか。行為の性質によって(損害賠償の)負担額は変わってくる」という。

 もちろん女性が被害を訴えていたにもかかわらず、中居氏を番組に起用し続けたフジにも相当な落ち度がある。

「中居氏が全額負担ということはないと思う。この問題は中居氏とフジテレビの関係性がどうだったか明らかにする必要がある」(同)

 中居氏がフジ側に虚偽の説明をしていた場合は悪質さが増す。一連の問題を追及してきた週刊文春は28日、当初女性を会食に誘ったのは編成幹部A氏としていたものを「中居氏からだった」と訂正。中居氏は女性に「みんなで飲もうよ」と誘ったとされる。しかし、A氏はフジの内部調査に「会食自体の存在を知らなかった」と答えている。

 紀藤氏は「あくまで仮定の話」とした上で「中居氏が複数人参加の飲み会があるとウソをついて、女性を誘ったのであれば問題だ。フジの損害を拡大させる一因になる」と指摘する。

 その上で中居氏への賠償額について「第三者委員会の結論にもよるが、数十億円、場合によっては100億円なんてこともありうる。あくまで請求の部分ですが」と話す。

 途方もない金額だが、トップアイドルだった中居氏の場合は稼ぎもすさまじい。冠番組は年契約で1本(1億円)は堅い。昨年はそれが5本あった。さらにCMやラジオ、SMAP時代はCDセールスやコンサートに関わる収入もあった。さらに好立地の不動産も複数所有しており、売却した場合の利益は約14億円という報道も。それらを踏まえれば「総資産100億円と聞いても別に驚かない」(テレビ関係者)という。

 今回、その貯めに貯めた資産が一瞬にして〝蒸発〟しかねない危機に直面している。紀藤氏は最後にこう語る。

「たとえ芸能界を引退しても中居氏の説明責任は消えない。守秘義務はあっても、誤った情報に対して『それは違う』ということはできるはずだ」

 自らの資産を守るためにも、中居氏は口を開く必要がありそうだ。

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