米ウクライナ政府高官会議、サウジで開始―対ロシア和平に向け協議

米国とウクライナの政府高官による、ロシアとの和平合意に向けた話し合いが11日、サウジアラビアで始まった。

  ウクライナのイェルマーク大統領府長官は、会合の前に「最も重要なのは、ウクライナの公正で永続的な平和をいかに達成するか話し合うことだ。ウクライナは、この目標に向かって進む用意ができている」と記者団に述べた。

  一方、米国のルビオ国務長官は、ウクライナがロシアとの合意のために、どのような譲歩を行うつもりなのかを聞きたいと述べた。

  ルビオ氏は会合の目的を、ウクライナ側の意図を明確にすることだとして、「ここで私たちが得なければならない最も重要なことは、ロシアがこの戦争を終わらせるため困難なことをしなければならないのと同様に、ウクライナにも困難なことを行う覚悟があるかという強い認識だ」と述べた。

  会談には、ルビオ氏とウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障担当)、ウクライナ側はイェルマーク氏、ウメロフ国防相とシビハ外務相が出席する。

米国とウクライナの高官会合(11日、サウジアラビアのジッダで)

  イェルマーク氏は会合に先立ち、「今後、このような侵略が二度と繰り返されないため、安全保障の保証が非常に重要だ」と強調した。

  国際情勢のリスク分析を手掛けるユーラシア・グループのクリフ・クプチャン会長は、米国側はウクライナに北大西洋条約機構(NATO)への加盟を断念させた上、事実上の中立国としての立場を受け入れ、軍と兵器に制限を設けることを求める可能性が高いと述べた。また、ロシアが占領しているウクライナ領土の約20%も、法的認証もなく交渉の一部とならざるを得ないとの見通しを示した。

  ブルームバーグは7日、平和維持活動の詳細など、最終的な和平合意の条件を巡り進展があれば、ロシアは停戦を受け入れる用意があると報じた。英仏両国が有志連合による平和維持軍派遣を提案しているものの、ロシア政府はNATO加盟国の部隊によるウクライナ駐留を、受け入れない考えを示している。

  事情に詳しい関係者によると、米国のトランプ大統領は今週、ウィットコフ中東担当特使をモスクワに派遣し、プーチン大統領と会談させる予定だ。ウィットコフ氏がトランプ氏の代理としてロシアを訪問するのは今回で2度目という。この関係者は、会談は非公式なものだとして、匿名を希望した。

原題:US and Ukraine Begin Talks on Path to Possible Truce With Russia(抜粋)

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