東大総長に選出の藤垣裕子氏を待ち受ける3つのハードル~文科相のちゃぶ台返し、説明責任、学内支持… #エキスパートトピ

(写真:イメージマート)

9月28日、東京大学の総長選考・監察会議を開催し、大学院総合文化研究科の藤垣裕子教授を次期総長予定者に選出しました。

藤垣氏は意向投票(学内投票)では1位候補の半数以下だったこと、初の女性総長となることなどから、話題となっています。

藤垣氏が東大総長となるのは来年4月から6年間です。

ただ、就任前、そして就任後も藤垣氏には3つのハードルが待ち受けます。具体的には「文科相のちゃぶ台返し」「不正疑惑を含む説明責任」「学内からの支持」です。

ココがポイント

東京大学  UTokyo @UTokyo_News

関芳弘文部科学相は29日の記者会見で「なぜそのような判断をしたのか、学内にしっかり説明する必要がある」と述べ、出典:産経新聞 2026/9/30(水)

desean takahashi @desean97

染谷氏を総長に選出後に疑惑の関連が発覚した場合、東大の信頼は地に堕ちることになりかねません。出典:石渡嶺司 2026/9/30(水)

エキスパートの補足・見解

「文科相のちゃぶ台返し」ですが、形式上は文科相が任命することになります。国立大学法人法17条には解任規定があり、2020年には北大総長が2019年の選考会議の指摘を受けて非違行為を理由に解任されています。

国立大学総長(学長)の最終候補選出者が任命されなかったことは今までにありません。が、東大は複数の不正疑惑があり、藤垣氏の執行部としての責任が追及された場合、「ちゃぶ台返し」もあり得ます。

2点目「説明責任」ですが、工学部・工学研究科の関連法人の元事務局長による不正流用疑惑が7月に判明しました。1位候補の染谷氏はこの法人の代表理事で元事務局長の不正流用疑惑の時期と一部重なります。この疑惑が今後、事件化した場合、藤垣氏が総長就任後であれば説明責任が伴います。藤垣氏は総長選の時点で東大生が運営する東京大学新聞の取材に対して、取材を拒否しています。学生新聞ですら取材を拒否する姿勢の藤垣氏が説明責任を果たせるのでしょうか。

3点目「学内支持」は1位候補の得票の半数以下でした。教員からの支持は脆弱であり、学内からの支持を固める必要があります。

この3つのハードルを藤垣氏は越える必要があります。

大学ジャーナリスト

1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。 大学・就活などで何かあればメディア出演が急増しやすい。 就活・高校生進路などで大学・短大や高校での講演も多い。 ボランティアベースで就活生のエントリーシート添削も実施中。 主な著書に『就活まるごとガイド』(講談社)など累計35冊・68万部。 2026年に『採用のバカヤロー!』を刊行予定。

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