玉木国民民主代表、市場の動きに危機感 高市首相とは「話し合い必要」

写真は1月21日、都内でロイターのインタビューに応じる国民民主党の玉木代表。REUTERS/Kim Kyung-Hoon

[東京 21日 ロイター] - 国民民主党の玉木雄一郎代表は21日、ロイターの単独インタビューに応じた。長期金利が急上昇する足元の市場に「変動性がかなり高まり、非常に稀有な事態が起きている」と危機感を表明。「政府、日銀は過度な市場の動きには毅然と対応することが必要だ」と述べた。衆院選後の高市早苗首相との連携については「もう一度話し合う必要がある」と語った。

<為替介入も「排除すべきでない」>

玉木氏は高市政権がまとめた2026年度当初予算案に関し、「一定程度財政に配慮した形になっている」と評価。「日本の税収はかなり安定的に増えている。債務残高の対名目国内総生産(GDP)比も安定的に低下している」とした上で、「それでも市場が過度に反応しているのはちょっと異常な動きだ」と語った。

こうした動きに対応するための措置として、政府による国債の買い戻しや、40年債の発行の減額を提案。「日銀の買い入れ減額ペースを遅らせることで市場にメッセージを出すべきだ」とも述べた。一方、政府や日銀の措置によって円安がさらに進んだ場合は「為替介入の手段も排除すべきではない」と語った。

日銀の金融政策を巡っては「正常化の方向性は正しいと思っている」とする一方、「名目賃金上昇率が安定的に上昇していけるのか」を注視していると説明。「中小企業の賃上げが5%程度で持続するなら日銀は利上げをそのまま続けるべきだ」とし、「雇用環境の悪化や賃金上昇率の急速な低下がないようきめ細かな目配りが必要だ」とも付け加えた。

<特例公債法案は期間短縮を提案>

高市氏が物価高対策の一環として表明した消費減税に関しては、あくまで経済が悪化した際の需要不足を補う目的で行うべきだと主張。「税率を変更する法改正を伴うし、実施には時間がかかる。昨年の税制改正でも議論していない」とした上で、「早くて2年後の減税となり、当面困っている人への物価高騰対策としては効果がない。やるべきではない」と強調した。

衆院選後の高市氏との連携についても問うた。昨年12月、国民民主は自民党と「年収の壁」の引き上げなどで一致。政策実現のために来年度予算を「年度内の早期に成立させる」との合意文書を交わした経緯がある。

ただ、高市氏が衆議院の解散を決めたことで予算の年度内成立は見通せなくなった。玉木氏はインタビューの中で「野党として予算案や税制改正法案が国会提出される前に、年度内成立に協力するような文書にサインするのは結構覚悟がいった」と振り返った上で、「年度内成立は首相官邸から強く求められた話だった」と明かした。合意の前提を覆すような高市氏の判断に「正直驚いたし、残念だ」とも述べた。

選挙後の国会で焦点の一つになるのは、赤字国債を発行するための特例公債法だ。参議院では与党が過半数を割っているため、衆院選の結果を問わず成立には野党の協力が欠かせない。

玉木氏は「これだけ債券市場の不安が広がっている中で、政府に5年という長期の発行権限を与えていいのかどうか」と疑問視。「市場や財政を混乱させる気はないので、むしろチェック機能をきちんと果たしていくという意味で期間を少し短くして債券市場の信認に応えるような体制を提案していきたい」と語った。

<信頼関係再構築に必要なこと>

一方、衆院選後に再び高市氏との信頼関係を築けるか問われると、選挙結果は予断できないとしつつ「政策で一致しているもの、あるいは国民生活にとって必要なものに協力は惜しまないが、せっかく高市政権とはいい信頼関係を構築できてきたと信じていたのにちょっとその関係が揺らぐ事態になっている」と説明した上で、こう締めくくった。「揺らいだ信頼をどのように回復していくのか。選挙後にもう一度話し合って、果たして信頼を継続できるかどうか双方の意見をすり合わせる必要がある」

(鬼原民幸、木原麗花 編集:橋本浩)

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2025年6月からロイターで記者をしています。それまでは朝日新聞で20年間、主に政治取材をしてきました。現在、マクロ経済の観点から日々の事象を読み解く「マクロスコープ」の取材チームに参加中。深い視点で読者のみなさまに有益な情報をお届けしながら、もちろんスクープも積極的に報じていきます。お互いをリスペクトするロイターの雰囲気が好き。趣味は子どもたち(男女の双子)と遊ぶことです。

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