米国株式市場=ダウ2231ドル安、ナスダック弱気相場入り トランプ関税で貿易戦争懸念

米国株式市場は、トランプ米大統領が発表した相互関税に対する報復措置で貿易戦争が激化するとの懸念から2日連続で急落し、ダウ工業株30種が調整局面に入った。(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 4日 ロイター] - 米国株式市場は、トランプ米大統領が発表した相互関税に対する報復措置で貿易戦争が激化するとの懸念から2日連続で急落し、ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabが調整局面に入ったほか、ハイテク株の多いナスダック総合(.IXIC), opens new tabはベアマーケット(弱気相場)入りが確認された。

ダウは前日比2231.07ドル(5.5%)安の3万8314.86ドルで終了。昨年12月4日に付けた終値ベースの最高値(4万5014.04ドル)から調整局面入りしたことが確認された。

ナスダックは5.8%下落して終了。昨年12月16日に付けた終値ベースの最高値(2万0173.89)から22.7%下落し、弱気相場入りしたことが確認された。

2日間の下落率はダウが9.3%、S&P総合500種(.SPX), opens new tabが10.5%。3指数の2日間の下落は新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)以来の大きさとなった。
中国はこの日、米国の相互関税への対抗措置として10日から全ての米国製品に34%の追加関税を課すと発表。2日にトランプ大統領が発表した中国への追加関税と同率を適用した。 もっと見る
こうした中、投資家の不安心理を示す「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のVIX指数(ボラティリティー・インデックス).VIXが8カ月ぶりの水準に急上昇。株価下落につながった。 もっと見る

その後、英国、オーストラリア、イタリアの首脳がトランプ氏の関税措置への対応を協議したと伝わったことを受け、米株価は下げ足を速めた。

インタラクティブ・ブローカーズのチーフ席ストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「状況がどこまで悪化するかは、トランプ政権がこの一連の関税措置にどこまでコミットしているかによる。市場は明らかに反対票を突き付けている」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はこの日に行った講演で、トランプ大統領の新たな関税措置は「予想以上に大きく」、インフレや成長などへの影響も同様に予想以上となる公算が大きいと指摘。「政策スタンスの調整を検討する前に、われわれはより明確な状況を見極めることが可能な態勢にある。金融政策の適切な道筋を決定するのは時期尚早だ」と述べた。 もっと見る
この日はS&P主要11セクター全てが急落。原油安を受けエネルギー株(.SPNY), opens new tabが最も大きく下げた。

米株式市場に上場する中国株も大きく下落。電子商取引(EC)大手アリババグループ、検索大手の百度(バイドゥ)などの下げが目立った。

中国へのエクスポージャーが大きい米アップル(AAPL.O), opens new tabは7.3%安。

米取引所の合算出来高は約267億9000万株で、21年1月27日に記録したこれまでの最多の244億8000万株を上回った。直近20営業日の平均は166億1000万株。

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります ※米国株式市場

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