途中出場で川崎Fの”パスミス”誘った京都MF川崎颯太「うまく制限をかけられた」試合後は恒例のパリ世代ユニ交換

ゴール前でDF高井幸大(写真右)と競り合うMF川崎颯太

[3.1 J1第4節 川崎F 0-1 京都 U等々力]

 後半の立ち上がり、京都サンガF.C.に流れを引き寄せる連続プレスを見せたのはハーフタイム明けからピッチに立ったMF川崎颯太だった。

 後半開始4分、川崎FのMF橘田健人が左に開いてボールを持つや、川崎が素早く詰めて前を向かせない。再びボールを受けた橘田はたまらずバックパスを選択。するとこれが弱くなり、すかさず回収したFWラファエル・エリアスが運ぶと、相手GKと2対1になったところでパスを送り、最後はFW奥川雅也が流し込んで京都が先制した。

「相手に気持ちよくワンタッチをさせないようにという守備のところから入って、うまく制限をかけられてバックパックさせて、それにもプレッシャーをかけた。相手のミスではあるが、自分たちの狙いの中でのミス(誘発)だったので自分たちとしてもポジティブだった。エリアスと雅也くんで決めきってくれてありがたい」(川崎)  京都が先制した直後には相手守備ラインの裏に抜け出し、GKと1対1になる自身の決定機もあった。ループシュートは惜しくも止められ、「GKが素晴らしかった。決めなければいけなかった」と悔しがったが、「ああいうところに入っていけたのは良かった」と手応えも。そして、終盤は1トップの位置に入る勢いで相手の最終ラインにプレッシャーを掛けた。 「3バックになろうが4バックになろうが自分が走るところ、戦うところは一緒。車屋選手が何本も良いパスを出していたし、高井(幸大)も良いフィードを持っているのは分かっていたので、最初は(原)大智君が真ん中の予定だったけど、流れの中で僕が真ん中になった時は気持ち良く蹴らせないように追わなきゃと思った。犬が追っているように見えるかもしれないですけど、うちにとってはそれが大事なプレー。誇りを持って今日はできた」。そう言って自画自賛した。  この日はベンチスタート。後半から出場したがキャプテンマークは先発のDF鈴木義宜に任せ、最後までキャプテンマーク巻かずにプレーした。「全試合出たいというのももちろんだけど、途中出場は途中からでもチームのために戦うという気持ちがあった」。その言葉通りのプレーだった。  チームキャプテンを務めて2年目だった昨シーズン。勝利からほぼ見放され、苦しみ抜いた前半戦に川崎は「自分たち自身、どうしたら勝てるのか悩んでいるところもあると思うが、自分たちを見失ったらそれこそおしまい。チョウさんのサッカーをして勝ちたいという中で、疑ったり勝てないと思ったら終わり。そこを失わないように自分が声を出してやっていくしかない」と語っていた。  “後半戦3位”という結果につながった背景としては新戦力加入のプラス効果が大きかったのは事実だが、川崎のリーダーシップがものを言ったのは間違いない。 「(昨年の)後半戦の勝ち方が自分たちらしさだと思う。ハードワークをすることや走るのは勝つためだし、その軸はブレていない。きょう(のプレー)を軸や前提として90分間やるしかない。走らず上手さでやるのは自分たちじゃない。そこはブラしちゃいけないと思う」

 開幕からACLを含めて公式戦5試合4勝1分けと好調だった川崎Fに勝って今季初白星を手にした。試合後は昨夏のパリ五輪をともに戦ったDF高井幸大とユニフォーム交換をした。パリ五輪出場権を獲得した昨年4、5月のAFC U23アジア選手権(カタール)以降、続けている“パリ・コレクション”だ。「海外組も多いのでたくさんは集められないけど、けっこうな数になってきた」と笑顔を見せていた。

(取材・文 矢内由美子)★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!●2025シーズンJリーグ特集

関連記事: