自宅を売って、子ども4人と世界一周した50歳シングルファーザー 帰国して身に染みた“日本のありがたさ” 紙が流せるトイレと、飲める水道水に感動

世界から見た日本は素晴らしいという話を耳にするものの、海外に出た経験がないと実感する機会がありません。いざ海外に行こうにも費用や時間が気になって一歩踏み出せないという方も多いでしょう。海外に行く機会が少ないと嘆く人がいる一方で、自宅を売ってまで費用を捻出して、4人の子どもと一緒に世界一周に出たシングルファーザーがいます。 【写真】自宅を売却し、4人の子どもとともに世界一周した木村剛士さん 2024年12月から約2カ月半をかけて、韓国・タイ・カンボジア・インドネシア・インド・オマーン・トルコ・スイス・ケニア・イタリア・アメリカ・ボリビア・コロンビアの13カ国を回った木村剛士さんに詳しく話を聞きました。 ーご家族で旅をされたということですが、家族構成を教えてください 私は今年で50歳になる子どもたちの父で、17歳の長女、14歳の長男、12歳の次女、9歳の次男と5人家族です。 ー世界一周をしようと思ったきっかけは何ですか 昔からの夢だったというわけでもなく、思いつきとしかいいようがありません。思いついた当初は、「行く先々でSNSで情報発信しよう」「知名度アップさせたい」と考えていましたが、行くと決まってからは子どもたちの思い出作りを最優先にしようと考えるようになりました。 子どもたちの未来もどうなるかわからないなかで、親として人生の選択肢を増やしてあげたいと考えていました。だったら海外旅行ではなく世界一周をして、世界で活躍している素敵な人たちに会ってほしいって思ったんですよね。 ー4人の子どもとの旅路は大変だったのではないでしょうか 道中で色々なことがありましたが、日本との差をもっとも感じたのはトイレ事情でした。海外で利用した宿泊施設は、大半がシャワーとトイレが同じスペースにあり、5人で滞在した際に不便でした。シャワーかトイレのどちらかを誰かが使うと、もう一方もだれも使えなくなります。 また日本のトイレとは違い、使用済みのトイレットペーパーを水に流せません。日本では当たり前のように水に流すので、無意識でトイレットペーパーを便器に流そうとしてしまいます。特に韓国・カンボジア・ケニア・ボリビアの4国では、子どもが使用した際に何度か詰まらせてしまい、修理をするのが大変でした。 ー水回りは日本はかなり恵まれているようですね 水道水を口にできる国が少なかったので、宿泊施設を利用する前には大量に水を購入しなければなりません。5人分必要なので大変でした。タイ・カンボジア・バリ・インド・ケニアでは、歯磨き程度でも水道水を使わない方がいいと言われており、歯ブラシを洗うのにもペットボトルの水を使っていました。 お湯を利用しようとしても、日本のように安定した温度で長時間利用できる国は少なかったです。熱湯が出てくる国もあれば、使っている最中に冷たくなってしまうなんてこともありました。 ーお風呂はどうされていたのですか できるだけ湯船の付いている宿泊施設を選んでいたのですが、使える所はほとんどありませんでした。湯船はあっても栓がなかったり、割れていたり、溜まるほどお湯がでなかったりとゆっくりお湯に浸かるなんてことはできませんでした。日本に帰ってきて、やっとゆっくりお湯に浸かることができて、日本の良さを再認識しました。 世界一周をしたことで、改めて日本の水環境のすばらしさを感じました。トイレットペーパーをトイレに流しても問題ないし、水道水を口にしても腹を壊すことはありません。夜になって飲料水がなくなっても、コンビニや自動販売機で水を購入できるなんて海外では考えられません。世界一周中は、各国の環境が当たり前だと受け入れていたのですが、日本に帰ってきたときに感じた安心、安全、便利さはありがたいことだなと身に沁みました。 ー最後に、今後も旅を続ける予定なのでしょうか 家族全員での旅はここで終了となりました。ただ長女とケニアで支援活動などをおこないたいと話をしており、今後もケニアには行くことになりそうです。またトルコランプなどの雑貨品の販売をするため、仕入れも兼ねて私の旅はまだまだ続きそうです。 ◆木村剛士(きむら・たけし)長野で4人の子どもたちと暮らすシングルファーザー。50歳になり仕事をやめ、家を売り、2カ月半かけて子どもたちと世界一周の旅をおこなう。 (まいどなニュース特約・長澤 芳子)

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