トランプ氏、ゼレンスキー氏はクリミアを手放す用意があるとの見解示す(BBC News)

アメリカのドナルド・トランプ大統領は27日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がロシアとの和平交渉で、クリミア半島をロシアに譲り渡す用意があるとの見解を示した。ウクライナはこれまで、領土の譲渡を明確に拒んでおり、それと食い違うものとなる。 トランプ氏は26日、ヴァチカン市国でキリスト教カトリック教会の教皇フランシスコの葬儀に参列。葬儀が始まる前に、ゼレンスキー氏と短時間会談した。 その後27日に帰国し、直後に記者団の取材に応じた。 トランプ氏は、2014年にロシアが不法に併合したウクライナ南部クリミア半島について、ゼレンスキー氏がロシアに領有権を譲る用意があると思うかと記者から問われると、「そう思う」と答えた。 また、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に向けて、「銃撃をやめて(中略)合意文書に署名」し、戦闘を終わらせるよう求めた。そして、これは2週間以内に実現できることだとした。 ヴァチカンでのゼレンスキー氏との会談については、トランプ氏は「うまくいった」と記者団に述べた。クリミアについても「ごく簡単に」話し合ったとした。 これまでウクライナは、領土の譲歩を一貫して拒否。領土問題は、停戦が合意されてから議論すべきことだと強調している。 トランプ氏のこの日の発言に対しては、ゼレンスキー氏もプーチン氏も公式な反応は示していない。 ■ドイツ国防省はアメリカ案に反対 一方、ドイツのボリス・ピストリウス国防相はこの日、ウクライナに対し、停戦と引き換えに領土を大幅に譲るような取引に応じないよう警告した。 ピストリウス氏はドイツの公共放送ARDで、ウクライナは「米大統領の最新の提案にあることまでしないし、すべきではない」と発言。 また、停戦を実現するには領土の一部を手放さざるを得ないかもしれないことを、ウクライナは分かっていると述べた。 そして、「この提案にあるものは、ウクライナが1年前に手に入れられたはずのものだ。ほとんど屈服に等しい。新たな価値は何も見いだせない」とした。 トランプ氏は先週、「(停戦案の)主な点は、ほとんどで合意に至った」と述べた。報道によると、ウクライナはロシアが併合した領土(クリミアを含む)の大部分を放棄するよう求められる可能性があるとされる。 BBCは、アメリカが提示した最新案の正確な詳細を確認できていない。 ロイター通信は25日、アメリカの提案を見たとし、その中には、ロシアによるクリミアの不法併合をアメリカが法的に受け入れることや、ウクライナ東部ルハンスク州全域などのロシア支配を事実上承認することが含まれていたと報じた。 ロイター通信はまた、欧州諸国とウクライナから出された対案も見たとした。そこでは、ウクライナ内の被占領地についての協議について、停戦になって初めて始まるとされていたという。 アメリカの案は、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)への加盟を否定し、停戦後は英仏主導の「有志連合」がアメリカ抜きで安全保障を提供するとの内容だとされる。 アメリカはまた、現在ロシアが掌握しているザポリッジャ原発をアメリカが管理し、ロシアとウクライナの両方に電力を供給することも提案しているとされる。 ■米誌でも「クリミアはロシアに」とトランプ氏 こうしたなか、トランプ氏は米誌タイムのインタビューで、ウクライナがNATO加盟を強く望んでいることが戦争の原因になったとして、同国を再び非難した。 トランプ氏はまた、「クリミアはロシアに残るだろう」とも述べた。 アメリカのマルコ・ルビオ国務長官は27日、米NBCの番組で、ロシアとウクライナに対し、和平交渉を進めるよう要求。「すぐに実現しなくてはならない」、「実現しないのであれば、この努力に対し、私たちは時間と資源を提供し続けることはできない」と述べた。 アメリカは最近、和平に向けた進展がなければ、交渉から手を引くと警告している。 ロシアは2022年にウクライナへの本格侵攻を開始。現在、ウクライナ領土の約2割を支配している。 (英語記事 Trump 'thinks' Zelensky ready to give up Crimea to Russia)

(c) BBC News

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