「いよいよ追い込まれてしまった」高齢化による医師不足 近畿大学奈良病院が救命救急センター辞退届
全国での年間の救急出動件数は過去最多の約772万件(消防庁2024年)。 その受け入れを行ってきた「救命救急センター」で起きている問題。 今年度もすでに約3300人の患者を受け入れてきた近畿大学奈良病院が、救命救急センターの指定辞退届を県に提出しました。 奈良県医師会 安東範明 会長 「近大奈良病院によると、救命救急の専従医は現在2名でやっている。しかし、そのうちの1人が3月で定年退職する。定年まで2人が支えてきた。それでやってきたけど、いよいよこれではできないところまで追い込まれてしまった」 高齢化による医師不足が原因としていて、近畿大学奈良病院が担ってきた重症度の高い救急患者の受け入れは、再来月からは県内の2つの病院に振り分けられるということです。 そのうちのひとつ、奈良県総合医療センターでは――。 意識不明の患者や事故で内臓が破裂した患者など、直ちに命に関わる重症患者を引き受ける“最後の砦”を担っています。 奈良県総合医療センター高済峯 院長 「今見ていただいたように、人もたくさん、急に心臓マッサージしなあかんかったり、人工呼吸つないだりしなあかんかったり、救急の先生プラス各領域の専門医が対応できる体制も持っておかないといけない」 夜間も、救急医が2人当直勤務し、手術用の看護師も待機。 さらに、心臓や脳などの専門医や麻酔科医も交代で呼び出しに応じられるようにするなど、24時間365日、負担はかかり続けます。 この病院では、救急医はたった10人ほど。決して潤沢とは言えないなかで命を救う最前線に立ち向かっています。 奈良県総合医療センター高済峯 院長 「単純計算で5日に1回、緊急を迫られる夜中の当直をしないといけない状況が続いている。それでけのスタッフをそろえないと三次救急(重症患者の受け入れ)は対応できない。」
「近大奈良病院で引き受けてくれていた三次救急の分は、地理的なことを考えると奈良県総合医療センターで引き受けていかないといけないし、自治体病院としての責務もそこにはあると思うんで、現有戦力で何とかやっていかないといけない」