トランプ氏、カナダに610億ドル負担要求－ミサイル防衛構想参加なら

トランプ米大統領は27日、宇宙空間にミサイル迎撃システムを構築する構想「ゴールデンドーム」について、カナダが参加するには610億ドル（約８兆8000億円）を負担する必要があるとの考えを示した。

　　一方で、カナダが米国への編入を選ぶなら、こうした負担なしで同国を守る用意があるとトランプ氏はやゆした。編入は同国の利益になるとあらためて主張した。

　　トランプ氏は「米国の素晴らしいゴールデンドーム・システムに加わりたいと強く望んでいるカナダに対し、独立していても対等ではない立場のままで参加するなら610億ドルが必要だが、米国の重要な51番目の州になれば費用はゼロだと伝えた。彼らはこの提案を検討している！」とＳＮＳに投稿した。

　　トランプ氏は先週、弾道ミサイルや極超音速兵器、先進型巡航ミサイルなどの脅威から米国を防衛する構想を公表。自身の任期終了までに完全運用可能にすると表明した。ただ、特に宇宙配備型迎撃システムの利用など、同構想の技術は現時点で未検証の段階にある。

　　トランプ氏は構想のコスト総額見通しを1750億ドルとしており、米議会はまず250億ドルの予算確保を目指している。一方、米議会予算局（ＣＢＯ）は同システムの開発と完全配備には20年間で最大5420億ドルを要する可能性があると試算している。

　　カナダのカーニー首相は先週、ゴールデンドーム構想への参加を検討していると認めたが、費用については明言を避け、検討は初期段階だと述べていた。

　　両国は1950年代から北米航空宇宙防衛司令部（ＮＯＲＡＤ）を通じて共同防衛体制を取ってきた。カナダは2022年、386億カナダドル（約４兆円）を投じてＮＯＲＡＤの近代化を進める長期計画を発表している。

原題：Trump Says Golden Dome Missile System to Cost Canada $61 Billion（抜粋）