追い込まれたフェルスタッペン「ショートカット」発言が示す絶望、背水の”ターン1”で狙う逆転王座 / F1カタールGP《予選》2025

逆転のタイトル獲得を目指すマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、2025年F1第23戦カタールGP予選でポールポジション争いに絡むことができず、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)から0.264秒遅れの3番手に留まった。

フェルスタッペンはランキング首位ランド・ノリス(マクラーレン)のすぐ後ろ、3番グリッドからスタートする。ノリスより前でフィニッシュできなければ、逆転タイトルの夢は潰える。

現在の差は25ポイント、優勝1回分だ。それでも明日の決勝でノリスを交わせれば、最終戦に望みを繋ぐことができる。だが、フェルスタッペンは自身が絶望的な状況にあることを隠さない。スプリントでマクラーレンが見せたペースについて、こう語った。

「スプリントのオスカーのファイナルラップなんて、僕がショートカットでもしないと出せないタイムだよ」

フェルスタッペンは予選後、クルマの感触について「マシにはなった」としつつも、RB21がシーズンを通して抱えてきた根本的な課題が今回も足を引っ張ったと説明した。

「昨日よりは良かった。昨日の問題を少しでも帳消しにしようとしたんだ。感触は少し良くなった。でも問題はまだ残ってる」

レッドブルはスプリントで収集したデータを基に、予選に向けてセットアップを変更した。フェルスタッペン曰く、それは奏功したという。だが、根本的な解決には至っていない。

「相変わらずフロントのグリップが足りない。特に、ここには長い中速コーナーが並んでいるわけだけど、そのすべてでそれが制約になってしまう。もっとプッシュしたくても、できないんだ。予選でもそうだった」

最大の制約要因は何かと問われると、フェルスタッペンは短く答えた。

「アンダーステアだね」

フェルスタッペンの絶望は、19周で争われたスプリントレースでの経験から来ている。

スプリントでは、チームメイトの角田裕毅が素晴らしいスタートを決め、順位を上げた後にフェルスタッペンに譲るという献身的なアシストを見せた。だが、それでも4位が精一杯だった。マクラーレンの2台は、別次元のペースで走っていた。

フェルスタッペンは、マクラーレンとのペース差を赤裸々に語った。曰く、正攻法では勝てないレベルだという。

「スプリントのオスカー(ピアストリ)のファイナルラップなんて、僕がショートカットでもしないと出せないタイムだよ」

57周で行われる決勝レース。フェルスタッペンに課された至上命令はただ一つ——目の前のノリスを攻略することだ。

ロサイル・インターナショナル・サーキットはオーバーテイクが難しい。一度レース展開が落ち着いてしまえば、フェルスタッペンの逆転の芽は急速に細っていく。

ターン1までにノリスを抜くことの重要性について問われると、フェルスタッペンはシンプルに言い切った。

「抜けなきゃ、彼が僕より多くポイントを取る」

1周目のターン1を逃せば、マクラーレンを逆転するチャンスはほとんどないと認める。

「厳しいだろうね。スプリントでもトライしたけど、タイヤにすごく苦戦するウィンドウに入り込んじゃって、ついていくことすらできなかった」

絶望的な状況だが、フェルスタッペンは決して諦めていない。上限25周のタイヤ使用制限、新設グラベルに使われている鋭い砂利など、ロサイルに不確定要素は多い。

「できることは全部やるつもりだよ。スタート、ターン1、すべてのラップでね。レースは長いし、何が起きるか分からない」

絶望的な言葉の先に奇跡は訪れるのか。4度のワールドチャンピオンは、最後まで希望を捨てずに戦う構えだ。

2025年F1カタールGP予選では、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がスプリント予選に続いてポールポジションを獲得。2番手にランド・ノリス(マクラーレン)、3番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続く結果となった。

決勝レースは日本時間11月30日(日)25時にフォーメーションラップが開始され、1周5419mのロサイル・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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