24年末の対外純資産533兆円、円安で過去最大も 34年ぶり首位陥落
5月27日、財務省は2024年末の対外純資産残高が533兆0500億円だったと発表した。写真は円紙幣。都内で2011年8月撮影(2025年 ロイター/Yuriko Nakao)
[東京 27日 ロイター] - 財務省は27日、2024年末の対外純資産残高が533兆0500億円だったと発表した。為替円安で外貨建て資産の評価額が膨らみ、6年連続で過去最大を更新した。一方、純資産残高そのものはドイツ(円換算で約569兆円)に抜かれ、34年ぶりに世界最大の純資産国の座から陥落した。
加藤勝信財務相が閣議で報告した。対外資産残高は前年末比11.4%増の1659兆0221億円となった。海外への直接投資も押し上げに寄与した。
一方、対外負債残高は10.7%増の1125兆9721億円で、資産から負債を差し引いた純資産残高は、前年末から12.9%増えた。
林芳正官房長官は27日の閣議後会見で、対外純資産残高で日本が2位になったことについて「対外純資産は経常収支のほか、金融資産・負債の価格変動も含め、さまざまな要因の積み上げで決まってくる」と指摘。日本の対外純資産が着実に増加していることも踏まえると、順位の変動のみで「日本の立ち位置等が大きく変わったと捉えるようなものではない」との見方を示した。
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