ASEAN首脳会議に米関税の影-中国や湾岸諸国との関係強化へ
Anisah Shukry、Philip Heijmans、Netty Idayu Ismail
- 米国に代わる存在はない-マレーシア戦略国際問題研究所アナリスト
東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議が26日から2日間の日程でクアラルンプールで始まった。中国および湾岸諸国との関係強化や、トランプ米大統領による関税引き上げの影響緩和を図る。
今回の首脳会議は、貿易と経済協力が主要議題になる見通し。パレスチナ自治区ガザとASEAN加盟国ミャンマーにおける紛争も取り上げられる。
年2回開催されるASEAN首脳会議のうち最初の会合は通常、東南アジアの首脳のみが参加するが、今回は中国から李強首相が出席する。
バーレーンとクウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の湾岸協力会議(GCC)加盟国首脳も参加する。一方、米国など欧米の首脳は出席しない。
マレーシアのアンワル首相にとって、自国開催の首脳会議は米国との間に大きな貿易黒字を抱える国々が海外投資先を探る中で、貿易関係を強化する好機となる。
中国は米国との通商交渉について、中国の不利益となるような合意を避けるよう各国に警告しており、ASEAN加盟国は米中間で慎重なバランスを取る必要に迫られている。
マレーシア戦略国際問題研究所のアナリスト、シャーリマン・ロックマン氏は「米国に代わる存在はない。確かに多様化や自主性について話されるが、自らをごまかすのはやめなければならない」と指摘した。
ASEAN加盟国はブルネイとカンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの10カ国。
原題:US Tariffs Loom Over Asia Summit as Ties With China Strengthen (抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE