利回り5.6%も!中小型の高配当利回り株10選(窪田真之)

 私には25年間の日本株ファンドマネージャーの経験があります。公的年金、投資信託、海外ファンドで、20代で1,000億円超、40代で2,000億円超を運用していました。私が運用していたのは全てアクティブファンドです。ベンチマーク(競争相手)である配当込み東証株価指数(TOPIX)に負けると存在意義がないため、いつも負けないように必死でした。

 ファンドマネージャー時代、私は中小型株が大好きでした。いつでも中小型株がオーバーウエート(TOPIXの構成比を上回る組入比率とすること)となっていました。ただし、その構成配分にはいつも気を付けていました。中小型株をオーバーウエートし過ぎると、大型株中心に日本株が急騰する時に、ベンチマークに大負けするからです。

「中小型株優位の相場になる」と確信できない限り、大型株の組入比率が低くなり過ぎないように、慎重に運用していました。

 ところで、日本株市場で、2020年以降、大型株優位の展開が続いてきました。中小型株は、相対的にさえないパフォーマンスが続いてきました。ところが、2025年以降、少しずつ風向きが変わりつつあります。私は、今後、中小型株優位の相場に転換していくと予想しています。

<中小型株と大型株のパフォーマンス比較:2020~2026年(8月26日まで)>

出所:QUICKほか各種資料より楽天証券経済研究所作成(小数点2桁以下を四捨五入)

好業績の中小型・高配当利回り株を買っていきたい

 もし私が現在、日本株ファンドマネージャーをやっていたとしたら、今こそ運用するファンドで中小型株のオーバーウエートを拡大しようと思う局面です。その理由を説明します。

 東証プライム市場や東証スタンダード市場に上場している、予想配当利回りの高い好業績の中小型株に注目します。大型株に比べて出遅れ感があるからです。

<日経平均、東証プライム、東証スタンダード、東証グロース250指数の動き比較:2022年4月1日=100、2026年8月26日まで>

出所:QUICKほか各種資料より楽天証券経済研究所作成

 日経平均株価は大型の半導体、AI関連株の構成比が高いので、上昇率が一番高くなっています。東証プライムも、大型株の比率が高いので上昇率は高いのですが、日経平均ほどではありません。

 東証スタンダード市場は中小型バリュー株が多いので、日経平均と比較すると大幅に出遅れています。東証グロースは、ほとんど上昇していません。

 私は、これからの投資について

【1】東証プライム市場の好業績中小型株 【2】東証スタンダード市場の好業績中小型株

に積極的に投資していくのが面白い、と考えています。

 東証グロース市場は玉石混交なので、銘柄選別が難しいです。また、東証グロース市場で業績が伸びてくる銘柄は、すぐ東証プライムに移行する傾向があるため、東証グロースに残っている銘柄から良い銘柄を見つけにくくなっています。今はむしろ、過去3年に、東証グロースから東証プライムに移った中小型グロース株をねらった方が良いと私は思います。

 今後、大型株の上値がやや重くなる中、好業績中小型株のパフォーマンスが良くなると予想しています。それには、三つの理由があります。

【1】経験則:大型優位と中小型優位は循環する

 最初の理由は、経験則です。2020年以降、長く大型株優位が続きました。ただし、「大型株優位」の相場と「中小型株優位」の相場は、循環的に繰り返します。経験則からは、そろそろ小型株優位に転換する頃合いだと思います。

【2】日本で金利上昇が続く可能性がある

 過去の経験則では、金利上昇局面は、大型株のパフォーマンスが不振になり、中小型株が相対的に見直される傾向があります。

【3】東証のガバナンス改革が進む

 東京証券取引所が、株価純資産倍率(PBR)1倍割れ企業に「株主価値改善策の開示と実施」を求めてから、日本企業に自社株買いが増えてきています。この流れが続けば、PBR1倍割れが多い中小型株が見直される可能性があります。

 以上、日本株で中小型株が優位になると私が予想している理由を説明しました。

 それでは、以下、私が今、買いたいと思っている中小型10銘柄を紹介します。堅固な収益基盤を持つと私が判断している銘柄で、かつ予想配当利回りが高く、今期最高益を更新すると予想する【注】銘柄です。

【注】営業利益または当期純利益、あるいはその両方で最高益を予想している企業

<中小型の高配当利回り株10選:2026年8月26日時点>

出所:QUICKほか各種資料より楽天証券経済研究所作成。予想配当利回りは、今期1株当たり配当金(会社予想)を8月26日株価で割って算出。今期とは、オークネット、ベースは2026年12月期、ショーボンドHDは2027年6月期、その他は2027年3月期を指す

 中小型株は、一つの銘柄に集中投資するのではなく、多数の銘柄に分散投資した方が良いと思います。100株単位で売買するのではなく、楽天証券「かぶミニ®(単元未満株取引)」を使って1株単位で売買する方が良いと思います。「かぶミニ®(単元未満株取引)」で1株単位で投資しても配当金は持ち株相当分を受け取ることができます。

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