【牛久大仏クラスの小惑星が地球へ接近中】8月17日午前7時に月の2倍の距離まで接近か(スペースチャンネル)

高さ120メートルの「牛久大仏」と同じクラスの大きさを持つ小惑星が、まもなく地球のすぐ近くを通過します。

その天体は、小惑星「2025 AL2」。推定直径は70~160メートル。8月17日午前7時ごろ(日本時間)、地球から約84万2,000キロの地点まで接近する見込みです。これは地球と月の平均距離のおよそ2倍にあたります。

「84万キロ」と聞けば遠く感じるかもしれません。しかし宇宙のスケールで考えれば、地球のすぐそばを大型の天体が通過する注目すべき接近です。

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牛久大仏とほぼ同じスケール、小惑星「2025 AL2」が地球へ接近

2025 AL2©ESA

茨城県にある牛久大仏の高さは120メートル。今回接近する2025 AL2は推定最大160メートルですから、その大きさの範囲には牛久大仏の120メートルがすっぽり入ります。

つまり、牛久大仏クラスの巨大な岩の塊が宇宙空間を飛び、地球のすぐ近くを通過すると考えると、そのスケールが分かりやすいでしょう。

地球への最接近時の速度はなんと時速4万4,600kmです。東京からニューヨークまでの距離を、単純計算なら十数分ほどで進んでしまうほどの猛烈なスピードです。

「もし、これが地球に向かっていたらどうなるのか」と不安になる人もいるかもしれません。ただし、今回については過度に心配する必要はありません。

ESAの最新データでは2025 AL2は衝突リスクのある天体のリストには入っておらず、現在の軌道計算では地球から約84万2,000キロ離れた場所を安全に通過する見込みです。

一方で、100メートル前後の小惑星が実際に地球へ衝突した場合には、衝突地点や組成、速度、爆発高度などの条件によっては、都市や広い地域に深刻な被害をもたらす可能性があります。

NASAは、直径140メートル以上の地球近傍天体について、衝突すれば地域規模の壊滅的被害を起こし得るとして重点的に捜索を続けています。

わずか18メートルで街が被災 2013年チェリャビンスク隕石の衝撃

チェリャビンスク州の隕石落下©Aleksandr Ivanov

しかも私たちは、わずか13年前、これよりはるかに小さな直径20メートル級の小惑星がどれほど大きな被害をもたらすのかを目の当たりにしています。大型小惑星の恐ろしさを考えるうえで、忘れることのできない出来事があります。

2013年2月、ロシア・チェリャビンスク州で発生した隕石の空中爆発です。原因となったのは、大気圏突入前の直径がわずか17〜20メートル程度だったとみられる小惑星です。

今回接近する2025 AL2の推定直径70〜170メートルと比べれば、はるかに小さな天体でした。それでも結果は衝撃的でした。

小惑星は時速6万8,400kmという猛烈な速度で地球の大気へ突入。高度約30キロ付近で激しく分裂し、巨大な空中爆発を引き起こしました。火球は太陽より明るく見え、100キロ離れた場所からも確認されたとNASAは報告しています。

放出されたエネルギーは推定約440〜500キロトンのTNT火薬に相当し、広島に投下された原爆のエネルギーのおよそ30倍という規模でした。

そして恐ろしかったのは、隕石そのものが人々を直撃したことではありません。上空の爆発によって発生した衝撃波でした。

猛烈な衝撃波が市街地を襲い、建物の窓ガラスが一斉に破損。飛び散ったガラスなどによって約1,500〜1,600人が負傷し、7,200棟を超える建物で窓や構造物などへの被害が確認されました。

つまり、直径20メートルにも満たない天体でさえ、人口の多い地域の上空で爆発すれば、大規模な都市災害を引き起こす可能性があるのです。隕石の大部分は大気中で失われましたが、一部は地上まで到達しました。チェバルクリ湖からは後に約650キロもの大型破片が回収されています。

チェリャビンスクの出来事は、「小さな小惑星だから安全」とは限らないことを世界に強く印象づけました。

地球の近くにはまだ見つかっていない小惑星が存在する

地球に接近する小惑星のイメージ©スペースチャンネル(AI)

もちろん、地球へ近づく小惑星のすべてが危険というわけではありません。今回の2025 AL2のように、軌道が詳しく観測され、地球から十分に離れて通過すると分かっている天体も数多くあります。しかし問題は、私たちが地球周辺の小惑星をすべて発見できているわけではないということです。

NASAによると、直径140メートル以上の地球近傍天体は約2万5,000個存在すると推定されています。こうしたサイズの天体は、衝突すれば地域規模で甚大な被害を及ぼす可能性がありますが、そのすべてが発見されているわけではありません。

NASAをはじめ世界の宇宙機関は、望遠鏡などを使って地球近傍天体を発見し、その軌道を計算し続けています。チェリャビンスクの小惑星が事前に発見できなかった理由の一つは、太陽に近い方向から地球へ接近してきたことでした。地上の観測望遠鏡にとって、太陽方向は小惑星を発見しにくい「死角」の一つです。

今回、地球のそばを通過する2025 AL2は、最大推定では牛久大仏をも上回る大きさです。幸い、今回は地球へ衝突する軌道ではありません。

けれど宇宙には今この瞬間も、地球の軌道付近を移動する無数の小天体が存在しています。もし将来、「数日後に小惑星が地球へ衝突する可能性がある」と発表されたら、皆さんはまず何をしますか?ぜひコメントお待ちしています。

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