最も評価されたのは!? 2024年、日本人市場価値アップ額ランキング1〜10位。1年で約13億円上がった怪物は?
激闘の2024年が終わり、2025年が始まった。世界各地で日本人選手が目覚ましい活躍を見せていたが、最も選手としての価値を高めたのはどの選手だろうか。今回は、データサイト『transfermarkt』が算出した日本人選手の市場価値上昇額ランキングを紹介する。※2024年1月1日と2025年1月2日時点の市場価格を比較。価格が並んだ場合の順位はサイトに準拠
10位:守田英正(もりた・ひでまさ)
生年月日:1995年5月10日 所属クラブ:スポルティングCP(ポルトガル) 市場価値の上昇額:300万ユーロ(約4億8000万円/25%UP) 市場価値の変動:1200万ユーロ(約19億2000万円)→1500万ユーロ(約24億円) 24/25リーグ戦成績:15試合2ゴール3アシスト
23/24シーズンのポルトガルリーグ優勝に貢献した守田英正は、その活躍が評価され、29歳ながら市場価値が300万ユーロ(約4億8000万円)の上昇を見せ、現在の市場価値が1500万ユーロ(約24億円)となった。
海外挑戦4シーズン目となった昨季はリーグ戦29試合に出場し2ゴール4アシストを記録。クラブは2024年を迎えてから負け知らずで、11月30日のサンタ・クララ戦に負けるまでは無敗を続けていた。守田はこの期間、アジアカップで離脱した試合以外全試合に出場しており、この市場価値の上昇は妥当だといえるだろう。
代表でもすでに中盤の絶対的な選手となっていたが、クラブと同じ3バックにシステムが変更されるとそのプレーはさらに活性化。ビルドアップからチャンスメイクまで関与し、さらには高い強度の守備で安定感をもたらし、代表のキープレーヤーとなっている。
ただ、今年の守田は変化の年となるかもしれない。スポルティングCPをリーグ優勝へと導き、守田を重用したルベン・アモリム監督がマンチェスター・ユナイテッドの監督に就任したことで、クラブ内での守田の立場は変化する可能性もある。今年で30歳となる同選手が今後どのようなキャリアを歩んでいくのか注目だ。
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モナコの南野拓実は昨季、大活躍のシーズンを送った。それにより、昨季開幕前は600万ユーロ(約9億6000万円)まで落ち込んでいた市場価値は1500万ユーロ(約24億円)まで上昇している。
モナコ加入初年度となった22/23シーズンはリーグ戦18試合のみの出場に留まり、クラブでの立場が危ういものとなっていた南野。しかし、監督がアドルフ・ヒュッターに代わると状況が好転する。
トップ下やシャドーのポジションを与えられると、リーグ開幕戦から4試合連続でゴールに関与するという活躍を見せた。その後も攻撃的ポジションで活躍し30試合9ゴール6アシストの成績をマーク。その結果、シーズン後の市場価値は2000万ユーロ(約32億円)まで上昇した。
今季も開幕戦からゴールを記録するなど、好調なスタートダッシュを切った南野だが、その後は数字を伸ばすことが出来ていない。第17節終了時点で、14試合1ゴール1アシストと去年ほどの爆発力は見られなかった。
そのためか、市場価値は2000万ユーロ(約32億円)から一気に1500万ユーロ(約24億円)まで下落した。ただ、2024年全体の評価としては上がっている。
今年で30歳を迎える南野だが、日本代表ではスタメンで出場し続けており、未だ能力に陰りは見られない。その能力を維持するためにも、一年でも長い欧州での活躍が期待される。
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オランダの地で活躍する佐野航大がランキング8位に入った。45万ユーロ(約7200万円)とほとんど値札がついていなかった市場価値は大幅に上昇し、400万ユーロ(約6億4000万円)にまで達した。
2022年にJリーグデビューを果たした佐野は、ファジアーノ岡山で2シーズンを過ごし、2023年夏にオランダのNECナイメヘンに加入。2024年明けごろからスタメン起用され始めると、左右のウイングから中盤まで様々なポジションでプレーし、最終的にリーグ戦24試合4ゴール3アシストの成績を収めた。
今季は中盤をメインに第18節終了時点で16試合に出場。ゴール関与は少ないもののチーム内での立場は向上しており、2024年10月には500万ユーロ(約8億円)まで市場価値が上昇した。
昨年行われたパリオリンピック(五輪)男子サッカー代表にバックアップメンバーとして選出(※後に辞退)されたものの、A代表デビューは未だない。クラブで活躍し自らの価値を証明し続けることが出来れば、代表としてピッチに立つ未来もそう遠くはないはずだ。
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町田浩樹はロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ(ユニオンSG)に加入してから4年目のシーズンを迎えた。同選手の市場価値はその期間上がり続け、昨年の600万ユーロ(約9億6000万円)から1000万ユーロ(約16億円)まで上昇した。
2021年まで在籍していた鹿島アントラーズからユニオンSGに移籍した際の町田の市場価値は85万ユーロ(約1億3600万円)と海外では無名の存在であり、海外挑戦後もグロインペインによる長期離脱などで自身の価値をあまり高めることが出来ていなかった。
だが、傷が癒えた昨季はセンターバック(CB)の定位置を完全につかみ取り、プレーオフ含め31試合に出場。日本代表デビュー、UEFAヨーロッパリーグ(EL)やUEFAカンファレンスリーグ(ECL)に出場したことでも評価を高めた。そのため、23/24シーズン開幕前から終了までの期間で、市場価値は800万ユーロ(約12億8000万円)も上昇した。
今季もCBのレギュラーとしてリーグ戦18試合に出場しているが、市場価値は6月に記録した価格から変動していない。今年28歳を迎える町田がさらに自身の価値を高めるには、より大きなクラブへの移籍が必須となるだろう。
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現在フライブルクで活躍している堂安律の2024年は充実したものとなった。市場価値も1年で400万ユーロ(約6億4000万円)上昇し、現在は2200万ユーロ(約35億2000万円)となっている。
フローニンゲン時代の2019年には1000万ユーロ(約16億円)を記録していた堂安は、フライブルク加入後の2022年11月にその数字を更新。その後、ワールドカップ(W杯)・カタール大会での活躍もあり、22/23シーズン終了後には1800万ユーロ(約28億8000万円)まで上昇した。
23/24シーズンもスタメンで出場し続けたが、前半戦は得点関与までにはなかなかいたらず。数字が伸びなかったことで、昨年3月には1500万ユーロ(約24億円)まで下落してしまった。
それでも後半戦は調子を取り戻しシーズン通して7ゴール4アシストをマーク。今季も好調を維持し、前半戦で5ゴール3アシストを記録すると、市場価値は1年足らずで700万ユーロ(約11億2000万円)上昇し、きれいなV字回復となった。
前半戦の活躍が後半戦も続けば、堂安の市場価値はさらに上昇していくだろう。
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弱冠20歳の大器がランキング5位にランクインした。シュトゥットガルト所属のチェイス・アンリの現在の市場価値は500万ユーロ(約8億円)となっているが、2024年の上昇幅は478万ユーロ(約7億6480万円)と昨年に一気に評価を高めている。
2022年に尚志高校からJリーグを経由せずシュトゥットガルトに加入したチェイスは、2年目の23/24シーズンにセカンドチームで26試合に出場し着実に経験を積んだ。それでもまだトップチームでのプレーはなく、今季のシーズン開幕前の市場価値は35万ユーロ(約5600万円)しかなかった。
それだけに、今季の躍進を予想できた人は少なかったはずだ。リーグ開幕戦でトップチームデビューを果たすと、翌節にはセンターバック(CB)でプロ初先発を記録。リーグ戦ではCBのほかに左右のサイドバックでも起用され、チームの戦力として地位を確保している。
UEFAチャンピオンズリーグ(CL)にも4試合に出場し成長著しいチェイスだが、日本代表に招集されたことは未だない。アメリカ合衆国の国籍を選択することもできる同選手はどのような未来へと歩みを進めるのだろうか。
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昨季ブレンビーIFでブレイクを果たした鈴木唯人は、今季も上々のスタッツを残している。そんな鈴木の市場価値はこの1年で610万ユーロ(約9億7600万円)上昇し、700万ユーロ(約11億2000万円)まで到達した。
市立船橋高校から加入した清水エスパルスでプロデビューを果たした鈴木は、2023年夏にブレンビーに加入。初の海外挑戦となった昨シーズンはリーグ戦16試合5ゴール2アシストを記録した。リーグ上位6チームで争う上位ラウンドでは6試合連続で得点関与をマークし、一気に頭角を現したことで、A代表デビューも果たした。
絶対的なレギュラーとして迎えた今季は、ここまでリーグ戦全試合に先発出場し、6ゴールを挙げ自身のキャリアハイを更新している。そんな鈴木には強豪クラブも熱視線を送っており、昨年夏にはリバプールなどが獲得に興味を示したと地元紙『Bold』が報じている。
鈴木は現在23歳とまだまだ若く、ここからのキャリアに期待がかかる。欧州5大リーグのクラブへの移籍など、ステップアップを果たすことがあればさらに自らの価値を高める可能性があるだろう。