蓮舫氏敗北、立民都連に広がった「刷新」要求 地方議員が起こした下剋上「独裁を倒した」

立憲民主党東京都連会長選を終えた蓮舫参院議員(左)と川名雄児武蔵野市議=5月15日午後、東京都千代田区(奥原慎平撮影)

15日に投開票された立憲民主党東京都連会長選は、全国的にも高い知名度を誇る蓮舫参院議員が、無名の地方議員に敗れる結果となった。蓮舫氏は「仕分けの女王」と称されるなど民主党政権の目玉閣僚の1人だったが、平成29年の民進党代表辞任以降は存在感の低迷が続く。「下剋上」の結果となった背景には、立民の世代交代を求める声に加え、蓮舫氏を含む都連執行部側の〝専横〟への不満の蓄積が指摘される。

川名氏選出にどよめき

「今回の結果が都連を変えていく。そして立民を再生していく。日本の未来を築く一歩にしたい」

15日夜、投開票の会場となった東京・永田町の星稜会館。新会長に選出された川名雄児武蔵野市議はこう訴えた。

投開票を控える立憲民主党の蓮舫参院議員(左)と川名雄児市議=5月15日午後、東京都千代田区

結果は、蓮舫氏81票に対し、川名氏124票。選挙管理委員長を務めた塩村文夏参院議員が結果を読み上げると、会場からは「おおー」とどよめきと拍手が沸いた。

壇上に上がった川名氏は「投票は投票。この後はノーサイドだ」と強調。会場からは「そうだ」と声が飛び、蓮舫氏も拍手と笑顔で応じた。

蓮舫氏「思いが分かった」

蓮舫氏は記者団の取材に、「いろいろな思いを持っている人の声がよく分かった」と語った。「敗因」については答えず、笑顔で会場から車に乗り込んだ。

立憲民主党都連会長選に敗れた蓮舫参院議員=5月15日午後、東京都千代田区

民主党政権の「象徴的」な人物と評された蓮舫氏も、近年は得票力に陰りがみられるようだ。

平成22年参院選東京選挙区では170万票超を獲得したが、令和4年は70万票弱に減少。同6年には参院議員を辞して都知事選に挑戦したが、3位に終わった。昨年の参院選では比例代表で立民ではトップの票を得たが、約34万票にとどまった。

都連幹部への不満

都連内ではこの間、執行部への反発も高まっていた。今回の会長選は長妻昭衆院議員が今年1月に中道改革連合へ移り、空席を争う形で行われたが、会長職は平成29年の旧立民発足以降、 先の都知事選の蓮舫氏敗退などを経ても長妻氏が務め続けていた。

記者団の取材に応じる川名雄児・東京都武蔵野市議=5月15日午後、千代田区

川名氏は今回の会長選で推薦人集めの段階から、三多摩地域を中心に市議や区議らを束ね、約60人を確保した。一方、蓮舫氏側は都議や参院議員ら20人弱にとどまった。

川名氏を押し上げた要因のひとつが、元都連幹事長の手塚仁雄氏らによる都連運営への不満だ。手塚氏は2月の衆院選で中道から出馬し落選したが、蓮舫氏の政界復帰を後押しした側近的存在として知られる。

選挙の公認権

都心部の地方議員は取材に、手塚氏について「嫌われると徹底して干される。地方選の公認が認められなくなるのではないかという声が多数、寄せられている」と証言した。

別の都連関係者も「公認権をちらつかせ、アメとムチを使い分けて敵味方を峻別してきたようだ。ようやく因果応報になるだろう」と語る。手塚氏と蓮舫氏について「若手は従っているが、次第に執行部の手法のおかしさに気づいていく」と厳しく指摘した。

立憲民主党東京都連会長選の選挙会場を後にする地方議員や都連関係者=5月15日午後、東京都千代田区

川名氏も記者団に対し、こうした公認権の恣意的運用を巡る声について「たくさん聞いている」と認め、「公認権は大切なもので、取引条件にしてはならない」と強調した。そのうえで「今回の選挙で私を応援しなかった人にも同じ対応をしていく。ノーサイドでやっていく」と挙党体制の構築を誓った。

この日、投開票後の星稜会館前では地方議員らが談笑し、高揚感に包まれていた。都連関係者の一人は「長きにわたる『独裁』を打倒した民衆が歓喜しているようだ」と漏らした。(奥原慎平)

蓮舫氏破った川名氏、立民都連会長選 一問一答

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