オーストラリア、外国人の中古住宅購入を禁止-住宅価格対策の一環
- 規制は4月1日から2年間実施-その後延長すべきか見直し
- 5月までに実施の総選挙に向けた野党党首ダットン氏の公約と一致
オーストラリアのオニール住宅相は16日、4月1日から2027年3月31日までの2年間、外国人投資家による中古住宅の購入を禁止すると発表した。この規制は住宅価格の高騰に対処するための選挙公約の一環として導入され、2年後に延長すべきかどうかを判断するために見直される。
オーストラリアの住宅は世界でも最も高価な水準にある。生計費が全般に上昇する中、急騰する不動産価格は、一生マイホームを購入できないのではないかと不安を抱える若い有権者を中心に、選挙戦の主要な争点となりそうだ。
不動産コンサルタント会社コアロジックによれば、シドニーでは住宅価格が過去10年間で約70%上昇し、現在の中央値は約120万豪ドル(約1億1600万円)となっている。賃貸料も上昇している。
Highest median price/income multiples among metropolitan markets
Source: Demographia
それでも、この禁止措置が価格に与える影響は限定的である公算が大きい。オーストラリア税務当局によると、2023年6月30日までの1年間に外国投資家が購入した住宅用不動産(空き地や新築、中古住宅を含む)は49億豪ドルで、中古住宅は全体の約3分の1に過ぎなかった。
オーニール住宅相は同日、税務当局には同措置の施行を支援するための追加資金が与えられると述べた。
オーストラリア総選挙は5月17日までに実施されるが、外国人の中古住宅購入を禁止するという政府の動きは、野党党首のピーター・ダットン氏が昨年公約した内容と一致している。生計費や住宅問題がトップ3の争点となる中、接戦になることが世論調査で示されている。
原題:Australia to Ban Foreigners From Buying Some Homes as Costs Soar(抜粋)