挑戦権かかる佐藤天彦九段、前髪をペアピンで 視界良好?
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藤井聡太名人(22)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ七冠=への挑戦権を争う第83期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の最終9回戦が27日午前9時から静岡市葵区の料亭「浮月楼(ふげつろう)」で5局一斉に指された。
順位戦の最上位に君臨する10傑が挑戦と残留を懸けて戦い、ファンが深夜まで決着を見守るA級最終戦には「将棋界の一番長い日」の通称がある。持ち時間は1日制対局として全棋戦最長の各6時間。
全5局の模様と藤井名人ら出演の現地大盤解説会はユーチューブ「囲碁将棋TV」で中継し、棋譜は朝日新聞のデジタル版に掲載する。
初手を指す佐藤天彦九段。手前は佐々木勇気八段=2025年2月27日午前9時2分、静岡市葵区の「浮月楼」、菊池康全撮影昼食休憩が終わり、対局が再開された。
佐々木八段に勝つと名人挑戦権を獲得する佐藤九段は、ヘアピンで前髪を留めて視界良好。ヘアピン、リップクリームなどは、佐藤九段がよく使うアイテムとして知られる。
ヘアピンで前髪を留め、盤上に視線を送る佐藤天彦九段=2025年2月27日午後0時40分、静岡市葵区の浮月楼、北野新太撮影各AIの評価値では先手の佐々木八段の60:40とやや有利を示しているが、序盤で不利になるのは振り飛車の宿命でもある。
豪華な松花堂弁当〔12:00〕
正午になり、40分間の昼食休憩に入った。
対局者の昼食は「松花堂弁当」など。
お品書きによると、松花堂弁当の中身は「焼き物」(富嶽白鶏ステーキ、香味野菜、アメーラトマト)、「口取り」(ホタルイカうま煮、アワビ大船煮、イワシ梅煮、新じゃが香煎、塩カステラ、エビ春巻き、菜種昆布〆、花弁ユリ根)、「替わり鉢」(幸せ豚ほうじ茶煮、焼ゴマ豆腐、ペコロス、プチベール)、「揚げ物」=天ぷら(エビ、白身〈マス〉、たらの芽、フキノトウ、レモン)。このほか、「先付け」(ジャガイモムース)、「造り」(二種盛り)〈マグロ、サワラ〉、「蒸し物」(遠州蒸し)、「食事」(サクラエビご飯、留め椀、香の物)、「水菓子」(白いちご)。
対局棋士の昼食に出される松花堂弁当A級順位戦の最終9回戦一斉対局には「将棋界の一番長い日」の通称がある。
順位戦の最高峰に立つ10傑が名人挑戦権争いと残留争いを繰り広げ、ファンが深夜まで運命の行く末を見守る日の劇的な空気を単純かつ重厚に表現した別名と言えるだろう。
なぜ「一番長い日」なのか。考察してみたい。
順位戦は1日制対局としては…
この記事を書いた人
- 北野新太
- 文化部|囲碁将棋担当
- 専門・関心分野
- 囲碁将棋