日本製紙の煙突倒壊、2人心肺停止9人閉じ込め ホンダは稼働停止
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28日午後4時ごろに熊本県で発生した最大震度7の地震の影響で、日本製紙の八代工場(熊本県八代市)の煙突が折れて倒れた。県の災害対策本部によると、11人が閉じ込められた。うち2人は救助されたが心肺停止の状態だった。工場の稼働は停止している。
有価証券報告書によると、八代工場の従業員数は26年3月末時点で367人。同社は従業員の安否確認作業を進めている。確認が取れた後に工場設備の点検作業を始める。八代工場では印刷紙や新聞紙など年間約30万トンの紙製品を生産している。
自動車各社は対応に追われている。ホンダは二輪車などを製造する熊本製作所(熊本県大津町)について29日夕方まで稼働停止すると発表した。地震発生時に作動したスプリンクラーの影響から工場の一部で漏水・浸水が発生した。大きな被害は出ていないという。
Astemo(アステモ)は自動車向け焼結部品などを生産する子会社のAstemo宇城(熊本県宇城市)の操業を停止している。従業員数人が負傷し、病院に搬送された。余震が続いているため工場内の状況確認ができず、設備の被害状況を把握できていないという。操業再開の時期は現時点で未定としている。
トヨタ自動車の生産子会社、トヨタ自動車九州は福岡県内にある3工場の稼働を停止した。28日中も停止を続ける。人的被害はなく、現時点で29日の再稼働を予定している。
ブリヂストンも油圧ホースなどを製造する熊本工場(熊本県玉名市)の生産を一時的に止めていると明らかにした。安全が確認でき次第再開する見通しだ。福岡県にあるタイヤの製造工場や九州地方の販売店への影響は確認中としている。
ヤマハ発動機は船舶用外付けエンジンを製造する子会社ヤマハマリン(熊本県八代市)の八代工場で液状化被害を確認したと明らかにした。地震で1人が軽傷を負った。上天草市の拠点と合わせて29日まで稼働を休止する。
エフテックも子会社の九州エフテック工場(熊本県山鹿市)の操業を停止している。現時点で人的被害はなく、設備への影響を確認している。
アイシン傘下のアイシン九州は熊本市南部にドア部品の生産工場を構える。アイシン九州は「従業員が避難中」とし、被害状況を確認している。デンソーは北九州市に工場を持つが「足元で操業に影響はない」とする。
食品メーカーでは湖池屋が九州阿蘇工場(熊本県益城町)での生産を停止したと明らかにした。人や建物への被害はないが、再開予定については確認中としている。
キリンホールディングス(HD)傘下のメルシャンは八代工場(熊本県八代市)で焼酎など蒸留酒とアルコール原液の製造を一時停止している。29日は工場の全面停止を予定する。30日以降については「安全確認が取れ次第、早期に稼働再開する」(キリンHD)。
空の便にも影響が出ている。熊本空港の滑走路が閉鎖された影響で、日本航空は午後10時時点で28〜29日に同空港を発着する予定だった羽田・伊丹線17便の欠航を決めた。
全日本空輸は同空港に着陸予定だった2便が中部国際空港と長崎空港へ目的地を変更した。午後5時55分時点で28日に熊本空港を発着する予定だった羽田・伊丹線の8便を欠航するほか、29日に発着する2便の欠航もすでに決めた。
JR貨物では八代駅(熊本県八代市)で停車中とみられる貨物列車が脱線し横転した。同社が状況を確認している。運転士は乗っておらず他の社員にもけがはなかった。
日本郵便は熊本県全域を発着地とするゆうパックなどの引き受けを停止した。29日は熊本県内の全ての郵便局で窓口業務を休止する。郵便物はポストなどで引き受けるが遅れが生じる可能性がある。ポストなどからの取り集めを休止する地域もあるという。
ヤマト運輸は熊本県全域を発着地とする荷物の預かりと発送を停止した。九州各地で大幅な遅れが生じている。九州への荷物は顧客が遅延を了承した場合に引き受ける。佐川急便も熊本県全域で集荷と配達を停止している。
NTTドコモ、KDDI、楽天モバイルは同県内の一部エリアで通信に影響が生じていると明らかにした。詳細を確認している。
携帯各社は28日、災害や大規模通信障害の発生時にネットワークを共有するサービス「JAPANローミング」の提供を始めた。いずれかの事業者の回線が使えなくなっても他の事業者の回線に切り替えて通信を継続して提供する仕組みで、現地で通信手段を確保できるようにする。
NTT西日本も同日、地震の影響で熊本県内などで提供する通信サービスの一部に支障が出ていると明らかにした。
セブン―イレブン・ジャパンは熊本県内の約30店舗で停電が発生し、数店舗が休業している。人的被害や建物倒壊といった被害はないという。ローソンは熊本県内の23店舗と鹿児島県内の1店舗、ファミリーマートは熊本県内の9店舗が一時休業している。
ゼンショーホールディングス(HD)は、熊本県内の「すき家」や「はま寿司」など21店舗を臨時休業にした。一部店舗で電気・ガスが不通となったほか、冷蔵庫が倒れ食器が割れるなどの被害が出た。従業員一人が打撲の軽傷を負った。
ツルハホールディングスは熊本県内の全店で28日の営業を取りやめた。人的な被害はなかった。29日以降に営業が再開できるかは現時点で未定という。
くら寿司は地震の影響で、熊本県内の6店舗の営業を停止したと明かした。八代店では店内の備品の一部が落下した。
三井不動産グループが運営する「三井ガーデンホテル熊本」(熊本市)は地震の影響を受け、8月末までの予約受付を停止した。
東京海上日動火災保険など大手損害保険各社は災害対策本部を立ち上げ、情報収集を進めている。被害状況の把握には時間がかかる可能性がある。
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