20年ぶりの高利回り、債券市場が発するシグナル(海外)(BUSINESS INSIDER JAPAN)
債券市場の動揺は今週も続いた。米国債利回りは約20年ぶりの水準に急上昇し、10年債は世界金融危機後の新たな高水準を付けた。「多くの市場参加者が最近の米国債利回り急上昇に驚いていることは注目に値する」とモハメド・エラリアン氏は述べた。 債券市場は、すべての投資家が注意を払うべき何かを示している。 【全画像をみる】20年ぶりの高利回り、債券市場が発するシグナル ここ何年か主要な債券利回りはじりじりと上昇傾向にあるが、最近の米国債の売りは2026年に入って加速した。そして9月23日には、過熱する経済、悪化の一途をたどる財政状況、米国債への需要減退に対する懸念が重なり、投資家は本格的に売りを加速させた。 週半ばの急激な金利上昇により、米10年物国債の利回りは5.12%に達し(価格は下落)、2007年以来の高水準となった。30年債利回りは5.42%に跳ね上がり、2004年以降初の水準に達した。 株式とAIに支えられた強気相場へのリスクにほとんどの注目が集まっているが、投資家は今や、平時は穏やかで動じない米国債市場を揺るがす問題に向き合わざるを得なくなっている。 国債は伝統的に市場の安全な避難先だが、今週、利回りを押し上げた急激な売りは、投資家が米国の先行き見通しを憂慮していることを物語っている。ブルームバーグ(Bloomberg)によると、これは9月23日に実施された5年債入札が低調だったことにも表れている。新発の米国債利回りは5.033%決定され、5年債入札としては2018年以来最も悪い入札結果となった。 「最近の米国債利回り急上昇に、多くの市場参加者が驚いていることは注目に値する。本質的な要因は、しばらく前から明らかだった」と、著名エコノミストのモハメド・エラリアン(Mohamed El-Erian)氏は9月23日、リンクトイン(LinkedIn)への投稿で記した。 債券市場は投資家に何を伝えているのか。
投資家の懸念事項の筆頭は国の債務だ。特にイラン戦争が7カ月目に入り、終わりが見えない状況ではなおさらだ。財政への懸念は、いわゆる債券自警団と呼ばれる投資家の抗議を招くことがある。債券自警団とは、国債を売却して利回りを押し上げることで、財政政策への不満を表明する投資家だ。 国の債務は8月に初めて40兆ドルに達し、今年の利払いは1兆ドルを超える見通しだ。これは政府が国防やメディケアに計上する予算を上回る額だ。 「前回、市場金利が今の水準にまで上昇した2007年当時、世界の債務残高は142兆ドルで、世界経済に占める割合は270%未満だった。リファイナンスリスクの観点から見ると、現在のリスクははるかに深刻だ」と、エコノミストのデヴィッド・ローゼンバーグ(David Rosenberg)氏は9月24日に述べた。