MLB:菅野智之は先発3〜5番手候補 ウインター会議で熱視線 スポーツライター 杉浦大介
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米大リーグ機構(MLB)の球団エグゼクティブ、代理人などが一堂に会するウインターミーティングが12日までテキサス州ダラスで開催された。
期間初日の9日、フリーエージェント(FA)の目玉だったファン・ソト外野手がメッツとプロスポーツ史上最高の15年総額7億6500万ドル(約1170億4500万円)で合意。ここで一気に盛り上がると、プロ野球ロッテからメジャー移籍を目指す佐々木朗希投手が10日、ついにポスティング公示されたことで"ロウキ争奪戦"の勃発も大きな話題になった。
動きの激しい状況下で、プロ野球巨人から海外FA権を行使してメジャー挑戦する菅野智之がどうなるかも注目される。
35歳という年齢もあって、菅野は今年のマーケット内でトップの人材とみなされているわけではない。それでも今季NPBで15勝を挙げて自己4度目の最多勝を獲得した右腕の底力は評価されており、ナ・リーグ某強豪チームのアジア部門スカウトはこう話していた。
「少なくとも先発5番手。体調次第でもっと上が任せられる投手であり、ボスに獲得を進言している。個人的には数年かけてスカウティングを進めており、今年も3試合を見た。大舞台での経験も豊富なだけに、間違いなくどこかのチームからメジャー契約を得る投手だ」
他の関係者の話を総合しても、菅野は先発ローテーションの中で3〜5番手の投手と考えられているもよう。FA市場では投手陣の中でも序列の高い選手から契約が決まるのが通例とあって、日本人エースの交渉が本格化するのは少し先になるのかもしれない。そんな中で、早々と菅野への興味を熱っぽく語ったのがパドレスのAJ・プレラーGM(ゼネラルマネジャー)だった。
ウインターミーティングも大詰めを迎えた11日。自身のスイートルームに少数の記者を招いて行ったメディア対応で、"日本通"を自任する47歳のエグゼクティブの菅野への賛辞は止まらなかった。
「読売ジャイアンツ時代だけでなく、大学時代まで遡って長い間見てきた選手だ。2020年に彼が渡米して来ると聞いた時も注目していた」
菅野がポスティングシステムでのメジャー移籍を目指した4年前、積極的に動いたのがプレラーGMに率いられたパドレスだった。時が流れても、ドジャースと同じナ・リーグ西地区で激しく覇権を争うチームの立ち位置は変わらない。
「日本の最高級のチームの一員として最大のステージで投球し、キャリア序盤から安定したパフォーマンスをしてきた。それは菅野の能力によるところが大きい。彼が何をもたらすかについて非常によく知っている。私は菅野の投球を実際に日本で何度も見てきたわけだから」
24年のプレーオフでも地区シリーズでドジャースと激闘を繰り広げ、惜しくも2勝3敗で敗れたパドレスにとってNPBの大舞台で経験を積み重ねた菅野は魅力的に映るのだろう。
もっとも、こういった絶賛コメントの後でも、主戦の一人だったジョー・マスグローブが右肘手術で来季絶望になったパドレスが早い段階から菅野とりに全力を挙げるというわけではあるまい。
パドレスは佐々木獲得の有力候補にも挙げられており、まずはそちらがプライオリティー。同じような流れで、補強を進める過程で、メインのターゲットを取り逃がした他のチームが手を挙げる可能性も十分ある。優先順位的には少し後ろ側であるからこそ、先行きは読みづらく、それゆえにエキサイティングな争奪戦が展開されることも考えられる。
「菅野がゲットするのは1年プラス、オプション1年くらいの短期契約だろう。年俸は1500万ドルくらい。その額には届かない可能性もあるが、現在の先発マーケットの高騰具合を見ればさらに上がっても不思議はない」
前述のスカウトがそう指摘する通り、条件面まで含めても"スガノ・マーケット"の動向は予想が難しい。最終的にどのチームに落ち着き、どんな契約をゲットすることになるのか。意外なチームが浮上しても不思議はないだけに、日本のファンにとっても楽しみな季節が続きそうである。
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