「ひとことで言ってパーフェクト」「観終えてもしばらく現実に戻れない」絶賛の声続々!『視える』不穏すぎる冒頭映像

アイルランド発のゴシック・超常サスペンスホラー『視える(原題:Oddity)』が、11月7日(金)より公開される。このたび、本編より、不穏すぎる冒頭映像が解禁。また、“オカルト”を愛する著名人たちから絶賛コメントが到着した。

盲目霊媒師が“呪いの人形”と共に挑む、未解決殺人の闇

本作は、2024年の「サウス・バイ・サウスウエスト映画祭」でプレミア上映され、ミッドナイターズ部門(ホラーやスリラーなど深夜上映向け作品)にて観客賞を受賞。監督は、アイルランドの新鋭ダミアン・マッカーシー。低予算ながらも長編2作目にして高い評価を獲得し、国際的に注目を集めた話題作だ。

物語の主人公は、盲目の霊能力者。彼女は、ゴーレムのように不気味な木製マネキンを通じて、殺された双子の姉の死の真相に迫っていく。罪の償いをテーマに据え、「目に見えない恐怖」を描くスタイルは、アリ・アスター監督の『へレディタリー/継承』(18)を想起させるとの声も。さらに、米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では驚異の支持率96%(9/18現在)を記録。The Guardian紙でも「ゴシックとJホラーを思わせる巧みな演出」と評されるなど、各国メディアから高い評価を受けている。キャストには、『ボヘミアン・ラプソディ』(18)でブライアン・メイを好演したグウィリム・リーが、ダニーの元夫・テッド役として出演。本作で重要なキーパーソンを担う。

ある夜、郊外の屋敷で女性・ダニーが惨殺されるという悲劇が起きる。容疑者は、現場に現れた精神科病院の患者とされていたが、事件は多くの謎を残したまま幕を閉じた。それから1年後、盲目で霊能力を持つ、ダニーの妹・ダーシーが、不気味な木製マネキンと共に、ダニーが殺された屋敷を訪れる。そこには、ダニーの元夫・テッドと、その恋人・ヤナが暮らしていた。姉の死の真相を探ろうとするダーシーを待ち受けていたのは、思いもよらぬ真実と恐怖だった——。

映像は、静まり返った田舎の風景から幕を開ける。やがてカメラは、本作の舞台となる古びた屋敷へ。部屋の改装を進める一人の女性の姿が映し出される。作業を終えた彼女が屋敷内を歩き回ると、1階には人を感知して自動で撮影を行うカメラが設置されている。場面が変わり、屋外の階段に腰かける男性の前に、白衣姿の人物が現れ「こんな所で何をしている? 中に戻れ」と冷たく命じる。男性はその言葉に従い、静かに建物の中へと戻っていく。やがて映し出されるのは、覆面をつけた男性の背中——。何かに取り憑かれたような、異様な気配を放つ姿。平穏な空気の中に不穏さがじわりと滲み出す、戦慄の幕開けを告げる冒頭映像となっている。

<コメント>

川奈まり子(作家) ひとことで言ってパーフェクト!ゴシック調の映像美と謎解きミステリーのロジックや現代性を1ミリの破綻も無く融合させた完璧なサスペンスホラーでした。

好事家ジェネ(YouTuber) 嗚呼、痛快だ!欲に穢された屋敷で静かにはじまる、美しき血の断罪。例え天が見逃そうとも、日陰に生き闇を見つめる者にそれは「視える」。いつだって正しく優しいのは、人形と死者という、もの言わぬひとなのである。

田中俊行(呪物蒐集家) 闇の中で誰かの息遣いを感じるとき、私たちは何を“視て”いるのか。この映画は、静かな悪意と美しい映像で感覚を狂わせてくる。観終えてもしばらく現実に戻れない。盲目霊媒師の呪物、全部欲しい。たぶん呪われてもいい。

はやせやすひろ(都市ボーイズ) 呪われた品を取り扱う骨董店が物語の軸となる時点でもう最高!呪物コレクターの僕は「これも欲しい。あれも欲しい」とショッピングの様に映画を鑑賞しました。中でも気に入ったのは呪いの木製マネキン。うちに来たらどこに置こうかな?などと呑気に観ていると、自宅で保管している呪物たちが一気に恐ろしく感じてしまう程の衝撃の結末。呪物コレクターさえも恐怖する映画「視える」かなりオススメです!観ないと呪われるかも…。

山崎圭司(映画ライター) 現実にないものが「視える」ことは、常人の理解が届かぬ不可解の暗闇を一条の光で照らす。しかし同時に、決して共有できないその光の眩さゆえに、さらに濃い疑念の影を生む。だが、「視える」ことを羨ましがる必要はない。この映画があえて描き飛ばす重要な空白を想像で補う。そのとき、心の眼には存在しないはずの背筋も凍る光景が確かに「視える」からだ。強制的に「視える」を起動させる本作は、実に恐るべき心霊スリラーである。

『視える』© 2023 Shudder / Keeper Pictures Limited / Nowhere Content Inc All Rights Reserved

『視える』は11月7日(金)よりシネマート新宿ほか全国公開

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