米中の貿易協議は初期段階で停滞、進め方で合意に至らず-関係者

Bloomberg News

  • 米国はフェンタニル巡る明確な要求を出していないと中国側

米国と中国の間で行われている貿易などに関する協議は、初期段階で停滞している。事情に詳しい関係者が明らかにした。交渉を進めていく最善のやり方について合意に至っていないという。

  米中の担当者は接触しているが、中国側の当局者は、関税撤廃に向け合成麻薬フェンタニルに関して米国が中国に期待する詳細な手順を示していないと説明している。トランプ政権が先週発動した対中関税の第2弾は、米中双方の実務レベルの担当者を驚かせた。

  事情に詳しい関係者によれば、トランプ大統領のチームはフェンタニルに関し明確な要求を出していないという中国側の主張を否定し、中国の謝鋒駐米大使を含むワシントン駐在の中国外交官を通じて送ったホワイトハウスのメッセージに言及。

  それには、フェンタニルの製造用化学物質の対メキシコ輸出を中止することや密輸業者には死刑を適用すること、中国共産党の機関紙、人民日報の1面にフェンタニル取引を非難する記事を掲載するよう命じることなどが含まれていたとこの関係者は語った。

  明確な要求が提示されたかどうかを含め、米中間の意見の相違はトランプ氏と中国共産党の習近平総書記(国家主席)の外交手法における根本的なずれを表している。

  トランプ氏がカナダやメキシコの首脳と貿易について直接交渉する一方で、中国では習氏がトランプ氏と電話で話す前に大半の詳細が決まっていることが求められる。

  トランプ氏は大統領就任の数日前に習氏と電話会談し、両首脳が「戦略的コミュニケーション手段」を維持することで同意して以来、一度も話をしていない。

  トランプ氏は2月前半に次の会談はすぐに行われると述べていた。ホワイトハウスの考え方に詳しい関係者によると、両首脳が直接会談する予定は今のところない。

  ホワイトハウスの当局者は、中国に対し米国は自国の期待をはっきりと伝えていると述べた。米国の財務省と商務省はコメントの求めに応じなかった。中国の外務省と商務省、財政省はコメント要請に返答しなかった。

原題:US-China Tariff Talks Stuck at Lower Levels, Stoking Frustration(抜粋)

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