アングル:金価格、年内6000ドルも 地政学リスクと中銀購入が後押し

ドイツ・ボンの金細工店の店頭に飾られた金貨。2025年10月撮影。REUTERS/Jana Rodenbusch/File Photo

[26日 ロイター] - 金現物は26日、1オンス=5000ドルを突破し史上最高値を更新した。アナリストは世界的緊張の高まりに加え、中央銀行の積極的な購入と旺盛な小売り需要により、今年は6000ドルに向けて上昇すると予想している。

金は一時5092.70ドルまで上昇した。2025年に64%急騰し、今年に入っても17%以上上昇している。

Gold surges past $5,000 for the first time

ロンドン地金市場協会(LBMA)の貴金属予測調査によると、アナリストは金が7150ドルまで上昇し、26年の平均価格は4742ドルになると予測している。

ゴールドマン・サックスは26年12月の金価格予測を4900ドルから5400ドルに引き上げた。

独立系アナリストのロス・ノーマン氏は今年の高値を6400ドル、平均で5375ドルと見込んでいる。「現時点で確実なのは不確実性だけのようだ。それが金に非常に有利に働いている」と指摘した。

<地政学的緊張>

金の最近の上昇は、グリーンランドを巡る米国と北大西洋条約機構(NATO)間の摩擦や関税の不確実性、米連邦準備理事会(FRB)の独立性への疑念の高まりなどが背景にある。

メタルズ・フォーカスのディレクター、フィリップ・ニューマン氏は「今年の米中間選挙により政治的不確実性がさらに高まる可能性がある。同時に、株式市場の過大評価への懸念が続き、金へのポートフォリオ分散の流れを強化する可能性が高い」との見方を示した。「5000ドルの節目を超え、さらなる上昇を予想している」と述べた。

<堅調な中銀の購入>

25年の金価格の主要な押し上げ要因だった中銀の金購入は、今年も堅調に推移する見通しだ。ゴールドマンは、新興国中銀が外貨準備の金への分散を続け、購入量は月平均60トンになると予測している。

ノーマン氏は、金急騰の主な要因は中銀の「脱ドル化」であり、金以外に資金を向ける先が乏しいとの見方を示した。

PBOC gold holdings

<ETFへの資金流入と小売り需要>

投資家向けに実物の金を保有する上場投資信託(ETF)への資金流入も、米利下げ観測が高まる中で金価格を下支えしている。

ガベリ・ゴールド・ファンドの共同ポートフォリオマネジャー、クリス・マンシーニ氏は「利回りのない金を保有するには機会費用が生じる。 金利が低下すればこの機会費用も低下する。FRBが26年も利下げを続ければ、金の需要は高まるはずだ」と話した。

ワールド・ゴールド・カウンシルによると、25年の金ETFへの年間資金流入額が890億ドルと過去最高を記録した。トン数ベースでは、流入量は合計801トンと、過去最高の20年に次ぐ水準となった。

Gold ETF flows by region

宝飾品向けの金需要は高価格を背景に低迷しているが、小型延べ棒やコインへの需要がインドなどの主要市場で旺盛だ。

延べ棒とコインの購入は欧州でも顕著だが、一部の投資家は利益確定に動いているとのアナリストの指摘もある。

<金の今後>

アナリストは金相場の調整を引き起こす要因として、米利下げ期待の後退、株式市場でのマージンコール(証拠金請求)、FRBの独立性への懸念緩和などを挙げている。

ただし大半のアナリストは、調整があっても短期間で、買いの好機になると予想している。

メタルズ・フォーカスのニューマン氏は「金が大幅かつ持続的に下落するには、経済・地政学的状況がより安定することが前提となるが、現時点ではその可能性は低い」と述べた。

Gold annual moves

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

Ashitha covers the commodity landscape, with increased focus on precious metals, minor metals, and agricultural commodities.

関連記事: