習主席、軍幹部の粛清について異例の言及 春節のオンライン演説で

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イヴェット・タン記者、スティーヴン・マクドネル中国特派員

中国の習近平国家主席は10日、先に行われた中国・人民解放軍(PLA)幹部の粛清について発言した。習主席がこうした件について公の場で語るのはまれ。

習氏の最も親しい軍関係者と広く見なされていた張又俠氏(75)は、今年1月に解任された。「重大な規律および法律違反」を行ったとされている。この表現は一般に、汚職を遠回しに示すものだ。

習氏は10日のオンライン演説で、この1年を「異例で並外れた」期間だったと説明。軍が「腐敗との闘いの中で革命的な鍛錬を経験した」と付け加えた。

習氏は政権掌握以降、一連の反腐敗運動を展開している。一方、こうした措置が政敵排除の手段としても使われてきたと批判する声もある。

演説の中で習氏は、PLAが「さまざまなリスクと課題」に効果的に対処し、多くの軍関係者が「徹底した政治的な是正」に取り組んだと話した。

また、部隊が「党に忠誠を尽くし(中略)有能で信頼できることを証明した」とも述べた。

習氏は毎年、春節のあいさつの一環として、PLAに向けて演説している。年初のあいさつの中で腐敗に言及したのは、2022年以来だという。

解任された張氏は、習氏が率いる共産党の中央軍事委員会(CMC)の副主席として、軍を統制していた。

今回の粛清は、昨年10月に実施された別の引き締め措置に続くものだ。このときは、CMC委員を含む9人の高官が解任された。当局は、反腐敗運動の一環だと説明していた。

記録によると、過去3年間で最高位の軍人14人が解任または捜査対象になっている。

通常7人ほどで構成されるCMCは、現在、習氏と張昇民副主席の2人だけになった。

習氏は記者会見を行わず、インタビューにも応じない。厳しい統制のきく中国メディアに対しても同様だ。

それでも、ときには国民、特に党幹部らに対し、自身の行動が一定の合理性を持つと示す必要があるのだろう。

今回の発言は、一連の粛清が軍の即時的な戦闘力や勝利する能力に影響を与えた可能性があるため、計画性を強調する狙いがあるとみられる。

習氏は汚職との闘いを、自身の統治の中心的課題としている。汚職を中国共産党に対する「最大の脅威」と呼ぶ一方、闘いは「依然として深刻で複雑だ」と述べてきた。

シンガポール国立大学の莊嘉穎教授は、「粛清をめぐる実際の言葉遣いは、軍内部で何が起きているのか、汚職なのか、政治闘争なのか、露骨な粛清なのか、あるいは別のものなのか、詳細をほとんど示していない」と述べた。

同教授はさらに、「粛清に関する広報は、主として中国共産党内部に向けたシグナルだ。汚職だけでなく、ある時点での習主席の意向に十分に従わなかったことに対して、重い結果が待ち受けていると示すためのものだ」と述べた。

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