米国株式市場=反落、企業や経済への関税影響を懸念

米国株式市場は反落して取引を終えた。2021年1月、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で撮影(2025年 ロイター/Mike Segar)

[ニューヨーク 5日 ロイター] - 米国株式市場は反落して取引を終えた。飲食チェーン大手ヤム・ブランズ(YUM.N), opens new tabなど複数の企業が決算や業績見通しで関税の影響に言及したことを受けた。
商務省が5日発表した6月の貿易赤字は消費財の輸入が急減したことで縮小。対中貿易赤字は約21年ぶりの低水準となり、トランプ大統領が輸入品に課した関税が貿易に与えている影響が浮き彫りになった。
また、供給管理協会(ISM)が発表した7月の非製造業総合指数は50.1と、予想に反して6月の50.8から低下。投入コストが約3年ぶりの大幅上昇となった一方、受注はほぼ横ばい、雇用は一段と軟化した。

KFCなどを展開するヤム・ブランズは高関税が消費支出を抑制する中、第2・四半期決算が市場予想を下回り、株価は5.1%下落した。

重機械メーカーのキャタピラー(CAT.N), opens new tabは米国の関税が下半期に大きな課題をもたらし、2025年に最大15億ドルのコスト負担につながると警告した。株価は0.1%高で引けた。

USバンク・ウェルス・マネジメントのチーフ株式ストラテジスト、テリー・サンドベン氏は「決算を見ると、低い予想を上回っている傾向がある。関税の影響は進行中だ。企業の収益性への大きな影響はまだ見られていないが、それが迫っていることは確かだ」と語った。

トランプ大統領は5日、輸入医薬品に対し当初は「低い税率」を課し、その後段階的に250%に引き上げると述べた。また、「来週あたりに」半導体への関税も発表するとの見通しを示した。 もっと見る

サンドベン氏は「きょうの市場の動きは投資家が単に休止モードにあることを反映している」と述べ、株式市場の状況は引き続き建設的だとも指摘した。

S&P総合500種(.SPX), opens new tabとナスダック総合(.IXIC), opens new tabは最近まで連日、最高値を更新していた。S&Pは年初来では7.1%上昇している。
その他の決算関連ニュースではホテル大手マリオット・インターナショナル(MAR.O), opens new tabが通期の売上高伸び率と利益の見通しを下方修正し、旅行需要の鈍化や景気先行き不透明感を示唆した。株価は0.2%高で引けた。
決算シーズンが終盤を迎える中、6日にはウォルト・ディズニー(DIS.N), opens new tabやマクドナルド(MCD.N), opens new tabの決算発表が予定されている。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.27対1の比率で上回った。ナスダックでは1.07対1で値下がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は162億9000万株。直近20営業日の平均は約183億3000万株。

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります ※米国株式市場

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