ドイツ次期首相、仏英と核兵器共有で協議する意向
[ベルリン 9日 ロイター] - ドイツのメルツ次期首相は9日のラジオ番組のインタビューで「核兵器の共有は私たちが話し合う必要のある問題だ」と語り、フランスや英国と協議する意向を示した。「私たちは核抑止力で共に強くならなければならない」とも強調した。
「もちろん米国の核の盾は維持してほしい」とも言及し、米国に代わって欧州に核抑止力を構築する狙いがあるわけではないとくぎを刺した。
ドイツ連邦議会(下院)選挙で第1党になったメルツ氏が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)は8日、連立政権樹立に向けて正式交渉に入ることで合意した。
ドイツは第2次世界大戦の教訓を踏まえて非核防衛の国際条約を結んできた。一方で北大西洋条約機構(NATO)の核共有制度に参加している。
欧州連合(EU)は6日、防衛力の強化などを協議する特別首脳会議をブリュッセルで開き、ウクライナでの戦闘で勢い付いたロシアが次はEU加盟国を攻撃する恐れがあり、トランプ大統領が率いる米国にはもはや頼れないとの懸念の中で防衛費増額計画を支持した。
また、ドイツ下院で連邦政府に移民対策の厳格化を要求する決議案が今年1月に賛成多数で可決したことに絡み、ドイツの移民対策厳格化はEUの移民規則と矛盾することにならないと主張。「私たちは欧州の連帯を望んでいるが、ドイツも自国の安全と秩序を守る権利を当然ながら持っている」と訴えた。
メルツ氏は、復活祭までに連立政権を樹立したいとの考えも表明。下院でインフラと国防に関する2つの主要財政パッケージと、財政赤字比率に上限を設ける「債務ブレーキ」の改革案を可決することを目指すとし、CDUとSPD以外にも環境政党「緑の党」に賛成してもらうために今週集中的に協議すると説明した。
メルツ氏は、緑の党からの賛同を得るために「気候保護策を(主要財政パッケージに)盛り込む」との方針を示した。
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