トヨタ3工場月内停止、半導体・飲料工場も止まる 熊本地震の影響拡大
- 記事を印刷する
- メールで送る
- リンクをコピーする
- note
- X(旧Twitter)
- はてなブックマーク
- Bluesky
28日に熊本県で発生した最大震度7の地震で企業活動への影響が広がっている。トヨタ自動車は福岡県にある3工場の稼働を29日夕方から31日まで停止することを明らかにした。ソニーグループとルネサスエレクトロニクスは熊本県にある半導体製造工場を止めた。携帯4社で被災した基地局は150カ所を超え、物流も混乱している。
トヨタが停止するのは高級車ブランドの「レクサス」を生産している宮田工場(福岡県宮若市)のほか、小倉工場(北九州市)、苅田工場(福岡県苅田町)。
3工場は熊本地震を受け28日に稼働を止め、29日朝から再開していた。安全や物流、仕入れ先の状況を考慮するため、再び停止を決めた。8月3日以降の稼働再開は31日に判断する。デンソーの北九州市にある工場は通常通り稼働している。
ホンダは29日、二輪車などを製造する熊本製作所(熊本県大津町)の稼働停止を31日まで延長すると発表した。大きな被害は出ていないものの、地震発生時に作動したスプリンクラーの影響で工場の一部で漏水・浸水が発生した。8月1日以降の稼働については状況をみて判断する。
ソニーグループ傘下のソニーセミコンダクタソリューションズは、熊本県菊陽町にある画像センサー工場の稼働を停止した。建屋や製造設備の被害状況の確認を進めている。ルネサスエレクトロニクスは車載半導体などの生産を担う川尻工場(熊本市)や錦工場(熊本県錦町)で操業を停止している。
三菱電機も熊本県菊池市と合志市にある電力制御を担うパワー半導体の工場で操業を停止している。建屋や設備に影響は現時点でみられないものの、従業員による安全確認が続いている。
サントリーホールディングスは29日、ビールや飲料水を生産する九州熊本工場(熊本県嘉島町)の稼働を止めていると明らかにした。28日の地震で建屋の一部損傷が見られたという。詳細については確認しており、現時点で再開のメドはたたず、熊本県を中心にビールや清涼飲料などの出荷停止や遅延が発生している。
商品の安定供給を図るため、当面は他の工場での製造振替を検討するとした。ビールは武蔵野工場(東京都府中市)や京都工場(京都府長岡京市)など3拠点でカバーするほか、清涼飲料も自社の国内9工場や委託先に生産を切り替える。同社の九州熊本工場は16年にも被災し、生産回復まで半年以上かかった。
コカ・コーラボトラーズジャパンも熊本市内の工場の操業を停止している。
アルフレッサホールディングスは29日16時時点で市販薬を関西や四国の物流センターから代替出荷しており、九州の物流センターの早期復旧に向けて作業を進めている。「医療用医薬品の供給には特に支障はない」とした。
スズケンは一部の支店でひび割れや医薬品の落下があったが「平常通りの医薬品供給が可能」としている。メディパルHDグループや東邦HDも出荷に影響はないとしており、道路の状況によっては通常と異なるルートで配送を実施している。
日本通運は29日、天草市などを除く県内の一部地域で集配業務を停止する。
ヤマト運輸は熊本県全域と宮崎県北西部を発着地とする荷物の引き受けを全国で停止し、熊本県内では集荷と配達を停止した。27、28日に引き受けた熊本県など向けの荷物は、依頼者に返品配送する。熊本県の営業所に28日までに届いた配達用荷物は配達しないが、到着側の顧客による引き取りには対応する。
佐川急便は29日、熊本市南区や八代市などの同県各地で集荷と配達を停止している。西濃運輸は八代市や人吉市などでの配達を見合わせる。熊本県のほか九州方面への配達に大幅な遅れが発生する可能性があるとする。
日本郵便は熊本県全域を発着地とするゆうパックなどの引き受けを停止した。29日は熊本県内の全ての郵便局で窓口業務を休止する。郵便物をポストに投函(とうかん)することは可能だが、29日午前9時時点で熊本県内全域でポストなどからの取り集めも休止している。
通信への影響も広がる。29日早朝からソフトバンクでも同県の一部で通信サービスが利用しづらくなった。影響は携帯4社全てに広がった。4社で被災した基地局は150カ所を超えており、各社間ではネットワーク共有など対応を急ぐ。
ソフトバンクは29日午前2時半ごろから熊本県内の一部地域で通信サービスが利用できない、もしくは利用しづらい状況が発生している。地震の影響で停電が続く地域のバッテリーが枯渇するなどして、同県内で22の基地局が停波しているという。
NTTドコモなど3社も28日時点で携帯サービスに支障が出ている。KDDIでは同県内の80以上の基地局が被災し停波している。
固定回線の提供にも影響が広がっている。KDDIでは同県内で提供する1万以上の光回線サービスに影響が生じている。NTTドコモビジネスでは同県内で企業や自治体に提供する専用線のうち、150以上の回線に影響が出ている。
各社は災害伝言サービスを展開し、ソフトバンクなどが公衆Wi‑Fiを無料開放している。28日から非常時の事業者間ローミング「JAPANローミング」の枠組みで各社間でネットワーク共有も進める。総務省によると各社は熊本県庁にリエゾン(現地情報連絡員)を派遣して対応にあたっている。
JR九州は29日、熊本県で発生した最大震度7の地震で運転を取りやめていた九州新幹線の運転を一部区間で再開すると発表した。博多(福岡市)―筑後船小屋(福岡県筑後市)間で午後5時15分から上下線で各4本運行する。
筑後船小屋発の上り新幹線は午後5時15分に運転を再開し、午後10時20分発まで計4本運行する。博多発の下り新幹線は午後6時6分に運転を再開し、午後11時1分発まで計4本運行する。
筑後船小屋―鹿児島中央(鹿児島市)は終日運転を取りやめる。30日以降は線路の安全を確認でき次第順次運転を再開する見通しだ。
ツルハホールディングスは熊本県内の「ドラッグイレブン」について、他の拠点から人員を送るなどし、安全の確保ができた店から営業を順次再開する。水などの物資を送る準備もしているという。
休業予定だった松橋店(熊本県宇城市)は飲料など一部商品に限り営業を再開した。県内の臨時休業は2店となった。
くら寿司は29日、前日の地震を受けて営業を休止した熊本県内6店舗のうち、5店舗の営業を再開したことを明らかにした。休止中の店舗は備品の一部が落下した八代店のみになった。
- 記事を印刷する
- メールで送る
- リンクをコピーする
- note
- X(旧Twitter)
- はてなブックマーク
- Bluesky
こちらもおすすめ(自動検索)
操作を実行できませんでした。時間を空けて再度お試しください。
権限不足のため、フォローできません
日本経済新聞の編集者が選んだ押さえておきたい「ニュース5本」をお届けします。(週5回配信)
ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。
入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。
ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。
入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。