テスラのロボタクシー、交通違反とみられる事案巡り米当局が精査
米電気自動車(EV)メーカー、テスラの自動運転タクシー「ロボタクシー」がテキサス州オースティンでの運行初日に交通法規に違反したとみられる事案について、米運輸当局が調べている。
米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は23日、ソーシャルメディアに投稿された動画で確認された複数の事案を把握しており、テスラから追加情報を収集中だとブルームバーグへの声明で明らかにした。NHTSA当局者は安全に関する問題について自動車メーカーと定期的に意見交換を行っており、そうした議論が正式な調査に至らないことも多い。
NHTSAは「これらの報告および他の関連情報を精査した上で、交通の安全を守るために必要な措置を講じる」と表明した。
ブルームバーグの報道を受け、テスラ株は23日の時間外取引で一時1.4%下落。その後は上げに転じている。
かつてテスラのポッドキャストを配信していた投資家ロブ・マウラー氏が撮影した動画では、同氏が乗った「モデルY」は左折専用レーンから交差点に進入。左折をためらった後、右に急ハンドルを切り、対向車線を一時走行した。追い越し禁止のセンターラインを越えて本来のレーンに戻った際には、クラクションの音が聞こえる。
別のX(旧ツイッター)への投稿では、自動運転のモデルYが制限速度を超えて走行する様子が撮影されている。投資家のソーヤー・メリット氏を乗せたこの車は、時速30マイルの速度標識を通過した直後に時速35マイルに達したことが同氏の投稿した動画で確認できる。
テスラとオースティン警察の担当者は、これらの映像に関するコメント要請にすぐには応じなかった。
オースティン市の報道官によれば、週末にテスラのロボタクシーに関する安全インシデントの報告は受け取っていないという。
NHTSAは、テスラが「フルセルフドライビング(完全自動運転、FSD)」と呼ぶ自動運転機能について引き続き調査している。この機能が太陽光やほこり、霧などで視界が遮られる状況下でどのように作動するかを検証中だ。
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原題:Tesla Robotaxi Incidents Draw Scrutiny From US Safety Agency (1)(抜粋)