ダイハツのコンパクトハイトワゴン「トール」、トヨタは「ルーミー/タンク」、スバルは「ジャスティ」として16年に4姉妹誕生、146万円~【今日は何の日?11月9日】
2016年(平成28)年11月9日、ダイハツはコンパクトカー「トール」を発売した。トールは、その名が示すように背の高いハイトワゴンで、広い室内空間と運転しやすさを両立。同車は、トヨタとスバルにOEM供給し、トヨタは「ルーミー/タンク」、スバルは「ジャスティ」と名乗って同日に発売された。
軽のダイハツが仕立てたコンパクトカーのトール
軽市場を主戦場とするダイハツだが、2016年11月のこの日にデビューした「トール」は、ハイトワゴンのコンパクトカーで、“子育てファミリーの日常にジャストフィットするコンパクトファストカー”を目指して開発された。
2016年にデビューしたダイハツ「トール」トールは5ナンバーサイズのコンパクトなボディながら、力強い迫力あるフロントマスクに軽自動車で培ったパッケージングのノウハウを活用し、ゆとりある室内空間を実現。室内は、フロントシートウォークスルー機能に加えて、リアシートが240mmの前後スライドによって大容量の荷室を確保し、リアシートを畳めば長尺物の積載も可能だった。
「トール」のリアビューまた、ガラスエリアとAピラー位置の工夫によって広い前方視界が確保され、後部ドアはワンタッチで開閉可能なパワースライドドアを採用するなど、運転のしやすさと利便性も高められた。
ダイハツ「トール」の1.0L 1KR-VET DVVTターボエンジンパワートレインは、最高出力69ps/最大トルク9.4kgmを発揮する1.0L 直3 DOHC、98ps/14.3kgmのインタークーラーターボの2種エンジンとCVTの組み合わせ、駆動方式はFFと4WDが用意された。エンジン本体のフリクション低減やフリクション低減オイルの採用に加えて、停止前アイドルストップや樹脂化の多用、走行低減の低減などで優れた燃費性能が達成された。
「トール」のコクピット 「トール」のシートアレンジさらに、衝突安全ボディ“TAF”の採用、衝突回避支援システム“スマートアシストII”を搭載するなど安全技術についても最新化が図られた。車両価格は、2WD仕様で146.34万円~168.84万円(NA車)/180.36万円(ターボ車)に設定された。
トールは、トヨタが「ルーミー/タンク」、スバルは「ジャスティ」として発売
ダイハツ「トール」とトヨタ「タンク」の兄弟車トール発売と同時に、OEM車であるトヨタ「ルーミー/タンク」、後にスバル「ジャスティ」が発売された。基本的な構造や機能はトールと共通だが、変更点はエンブレムと一部の内外装、カラーリングである。
ダイハツ「トール」とトヨタ「タンク/ルーミー」のエクステリアの違いOEMを行なうメリットは、ダイハツはOEM供給することで生産台数を増やすことでき、開発コストの回収が短期で可能となりコスト低減に繋がる。一方のOEMを受ける側は、開発リソースをかけずにラインナップの充実が図れ、自社ブランドの維持に繋がるというメリットがあるのだ。
トヨタのルーミー/タンクは、フロントフェイスがやや押し出し感の強いトヨタ風のデザインに変更され、ボディカラーに専用色が用意された。また、兄弟車タンクはルーミーと販売店系列が異なり、よりスポーティな若者向きのフロントフェイスだったが、2020年9月にルーミーに統合されて、タンクの名はトヨタのラインナップから消えた。
スバルのジャスティは、スバルらしいフロントフェイスへの変更のみである。
トールは、ダイハツ唯一のコンパクトなトールワゴンとして一定の人気を獲得したが、一方のルーミー/タンクはブランド力と販売力の強みを発揮して大ヒットモデルとなった。
ダイハツからトヨタにOEM供給されたクルマ
ダイハツ「トール」 2016年にデビューしたトールOEM車のトヨタ「タンク」の居住性ダイハツは、1968年に資本強化のためトヨタと業務提携し、1974年には「カローラ」をベースにした「シャルマン」を発売するなど協力関係を継続し、2010年以降はダイハツからトヨタへのOEM供給を本格的に進めた。ダイハツから供給されたトヨタの代表的なOEM車は以下の通りである(カッコ内は、トヨタの車名)。
・ストーリア(デュエット):1998年9月~2004年5月・ムーヴコンテ/カスタム(ピクシススペース):2011年~2017年・ビーゴ(ラッシュ):2006年1月~2016年3月・ブーン(パッソ):2016年4月~2023年9月(ただし初代&2代目パッソとブーンは共同開発でOEMではない)・トール(ルーミー/タンク):2016年11月~
・ロッキー(ライズ):2019年11月~