トランプ大統領「市民殺害なら攻撃」イランの抗議激化…全土に拡大 今後どうなる?
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経済難から始まったイランでの抗議活動が全土に拡大しています。
激化する抗議の動きを、当局は力で押さえつけています。
体制が、ここ数十年で最も弱体化しているともいわれるイラン。インターネットなど通信網が遮断され、当局は統制を強めている模様です。
デモが始まったのは、年末のこと。 抗議活動を始めたグループの一つが、バザールの商人たちです。理由は、物価高騰と通貨の暴落。アメリカ主導による経済制裁の結果ですが、矛先は政府に向かいました。
そして、デモ活動は広がっていきます。その、きっかけとなったのは、アメリカに亡命中のレザ・パーレビ元皇太子(65)の発言です。パーレビ元皇太子は、イラン革命で退位に追い込まれたパーレビ国王の息子です。
広がりを見せる抗議活動。
女性への抑圧を批判し、アメリカに亡命したジャーナリストは、こう呼んでいます。
ただ、犠牲は少なくありません。 人権団体によりますと、45人が死亡。この中には、子どもも含まれています。
これまでも市民は繰り返し、声を上げてきました。
直近で大規模になったのは、2022年。道徳警察に拘束された女性が死亡したことに抗議したものです。
今回がこれまでと違うのは、アメリカの指導者が軍事介入を示唆していること。
アメリカは、イランと深いつながりのあるベネズエラに攻め入り、大統領を捕まえたばかりです。
介入をちらつかせるトランプ大統領に、最高指導者は、こう述べました。
◆なぜ、ここまでデモが拡大したのでしょうか。イラン情勢に詳しい慶應義塾大学の田中浩一郎教授に聞きました。
田中教授は「発端は、通貨安による物価高騰や、経済対策への不満で、バザールの商人が抗議活動を起こしたこと。これに呼応する動きが出て、抗議デモが各地に広がり、ハメネイ師批判のスローガンが出てきた」といいます。また、アメリカに亡命しているパーレビ元皇太子のデモ呼びかけに対し、国民が「パーレビは戻ってくる」と声を上げていることについては「現体制への反発を示す意味で、元皇太子への支持を表明しているのでは。ただ、国民に“王政復古を望む”との思いはない。パーレビ元皇太子に政治的な影響力はない」とみています。
アメリカのトランプ大統領は4日、デモ参加者が治安部隊との衝突で犠牲になっていることに触れ、「再び殺害行為に及べば、アメリカから大打撃を受けるだろう」と発言しました。
この発言について、田中教授は「トランプ大統領のデモへの関与はあるともないとも言えないが、イスラエルとともにあおっていることは間違いない。アメリカが介入するような情報を流すことで、デモ参加者を勢いづけ、より過激な行動を促すことになる。一方、取り締まるイラン当局も、アメリカの影響があるなら、より強硬な手段を発動することになる。つまり、デモ隊と当局は全面衝突に追い込まれるのでは」といいます。
◆トランプ大統領は、ベネズエラのマドゥロ大統領を拘束するために軍事作戦を展開しました。今回、ハメネイ師に対しても似たような対応を取る可能性はあるのでしょうか。
田中教授は「アメリカ国内の司法手続きが行われていないので、ベネズエラのように、軍事作戦でトップを拘束するという方法は考えにくい。去年6月のアメリカ・イスラエルによるイラン攻撃の際、イスラエルはハメネイ師を殺害して体制転換しようとしていて、それをトランプ大統領も了解していた。イスラエル主導のイランへの軍事作戦は、いつ実行されてもおかしくない状況で、ハメネイ師の殺害を狙うこともあり得る」としています。
今後について、田中教授は「デモが始まったばかりなので展開は読みづらいが3つの可能性がある」と指摘しています。 もっとも可能性があるのが、「イスラエルが、核・ミサイル施設への攻撃を口実に、 抗議デモで混乱している時期にイランに軍事介入し、体制転換につながる可能性」だといいます。ほかの可能性としては「一定の時間はかかるが、デモが収束し、前の状態に戻る。 ただ、国民の不満は消えないので、崖っぷちの体制運営が続く可能性。もう一つが、各地に拡大した抗議デモに、何らかの形で、“横のつながり”ができて反革命運動が起こり、ハメネイ氏が失脚、あるいは死亡のような形で体制崩壊につながる可能性」としています。
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