欧州最大の年金、テスラ保有株を全て売却－マスク氏報酬に同意できず

欧州最大の年金基金が、５億7100万ユーロ（約920億円）相当に上っていた米テスラの保有株式を昨年７－９月（第３四半期）に全て売却していた。イーロン・マスク最高経営責任者（ＣＥＯ）の報酬パッケージに賛成できなかったことなどが理由だという。

　　オランダの公務員年金ＡＢＰの広報担当者は12日、マスク氏の報酬パッケージに「問題があった」と電話で回答。保有株売却の決定にあたり、費用やリターン、責任ある投資の要件も考慮したと説明した。

　　ＡＢＰのテスラ株売却は、オランダ紙フィナンシエーレ・ダフブラットが先んじて報じた。同紙によれば、テスラの労働条件の悪さなども売却の判断につながった。

　　マスク氏の報酬パッケージを巡っては、株主が支持したにもかかわらず、米デラウェア州の衡平法裁判所は昨年12月に再び無効との判断を下した。このパッケージはストックオプションなどから成り、当初は26億ドル（約4100億円）相当だったが、衡平法裁判所が無効の判断を下した時点では560億ドル相当にまで膨らんだ。

原題：Europe’s Largest Pension Fund Sells Tesla Stake Over Musk’s Pay（抜粋）